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築地まちづくり、都の将来像はあるか

2020/10/5 東京版 掲載記事より

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東京都の小池百合子知事は9月に開会した都議会本会議で、築地市場跡地のまちづくりは「先行整備と本格整備を一体化し、2022年度に事業者を公募する」との考えを明らかにした。20年をめどに先行整備の事業者を公募する方針だったが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が延期になり、計画の見直しを進めていた。
 18年10月に築地の卸売り機能を豊洲市場へ移してから、約2年が経過した。築地市場の跡地の活用についてはここ数年、たびたび議論の的となってきた。新型コロナウイルス感染症の拡大によって社会と経済の状況が一変した今、改めて原点に立ち返り、誰のための、何のための開発なのかを考え直す必要があるのではないか。
 築地市場跡地は面積約23f。都心の貴重な大規模用地だ。現在、東京五輪の車両基地として暫定利用するための整備が完了。大会後、再開発に着手することになる。
 小池知事は17年度に「築地は守る、豊洲を活かす」を基本として、「食のテーマパーク」としての整備を進めるとの方向性を示し、都は19年3月に「築地まちづくり方針」をまとめた。この方針には、国際会議場などの機能を中核としながら、文化・芸術、テクノロジー・デザイン、スポーツ・ウェルネス(健康増進)といった機能が融合して相乗効果を発揮し、東京の成長に大きく寄与する交流拠点の形成を将来像として描いている。
 当初は先行エリアを設けるなど段階的な整備を予定していたが、東京五輪が延期となった時点で計画の見直しに着手し、先行・本格整備の両方を担ってもらう事業者を一体的に公募することにした。
 小池知事は都議会に、こうした判断を下した理由を「民間のさらなる創意工夫を引き出し、より効果的にまちづくりを行うため」と説明。「民間の力を最大限に活用しながら、東京の価値を高め、持続可能な発展へとつながるまちづくりを推進する」考えを示した。
 デジタルシフトが急速に進み、社会経済環境が大きく変化する中で、これからのまちづくりには、社会の在り方をたえず探ろうとする視点と、DX(デジタルトランスフォーメーション)による最先端技術の活用が欠かせない。こうした考えを実現するためには、意志決定が素早く、環境変化にも柔軟に対応できる民間企業のもつ力を有効に使うべきだろう。
 何よりも重要なのは地域のコンセンサスづくりだ。例えば、中央区は、まちづくりの方針が示された19年に、都の考えでは完了までに20年以上かかる可能性があると指摘。場外市場と食の連携がとれる施設計画と地下鉄など基幹交通インフラ整備の具体化、舟運の活用、歩行者ネットワークの形成が不可欠とし、「都民に開かれた街」となるよう、要望している。
 都心での大規模なまちづくりに、ゼロから取り組めるまたとないチャンスだ。東京都が描く「東京の価値を高め、持続的な発展へとつながるまちづくり」とはどのようなものなのか。五輪の開催延期もまた、これから行く道を再確認する絶好の機会だ。事業者、とりわけ都民の意見に耳を傾け、世界に誇れる拠点形成を目指してほしい。

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