技術開発に向け実物大設備を構築 東北・上越新幹線改修
2021/3/3
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総合研修センター敷地内に完成した橋梁やトンネルなど実物大模擬設備
JR東日本は、東北新幹線(東京〜盛岡間)と上越新幹線(大宮〜新潟間)の2031年度からの大規模に改修に向けた技術開発で、JR東日本総合研修センター(福島県白河市)の敷地内に橋梁やトンネルなどの実物大模擬設備を構築した。改修材料の開発や作業の機械化などの技術開発を進める。
同社では、1982年に開業した両線の延長約780`の区間を対象に、橋梁やトンネルなどの構造物の大規模改修を、31年度から10年間で進める。費用の総額は1兆0406億円を見込んでいる。
今回完成した実物大模擬設備の内容は、コンクリート橋(延長80b)、トンネル・土工設備(各延長30b)、線路(コンクリート橋延長70b、地上延長105b)。
コンクリート橋では、調査や作業に使う機械や、オープンイノベーションを活用して選定した改修材料の開発を進める。また、再現した設備の一部で、防音壁の取り替えを想定した材料の開発や改修作業の効率化を検討する。
トンネルでは、軌道にカーブ区間を再現できる装置を配備し、さまざまな条件下でも施工可能な機械の開発や、操作者の訓練を行う。土工設備では改修工法の開発や効率化を検討する。
線路では、スラブ板下面と路盤面の間にある緩衝材の劣化により隙間が生じた状態を再現。スラブ板の上面から隙間を把握する調査手法を開発する。また、劣化した緩衝材やレール締結部の改修工法・機械の開発にも活用する。
さらに今回の大規模改修では、3次元点群データを活用し、設計や設備調査・施工計画などの工事情報管理の簡素化・質的向上も検討している。実物大模擬設備を使って効率的なデータの取得や利活用の方法も検討していく。
このほか、新幹線に関する技術開発として、電化柱の耐震補強工法などの技術開発も進める。
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