物価異変E 世界規模の要因が影響
2022/8/1
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異形棒鋼は5月までの調査でおよそ14年ぶりに最高値を更新した。(写真はイメージ)
物価上昇の局面が続いている。建設資材価格や労務単価をまとめた『積算資料』を発行している経済調査会では、「価格上昇の局面は当面、続く」と見ている。日本国内の需要の増減が主因ではなく、コロナ禍からの経済回復やロシアのウクライナ侵攻による資源高など、長期的な要因がグローバルな供給網に影響を及ぼしているためだ。
経済調査会は5月、異形棒鋼がおよそ14年ぶりに最高値を更新したことを発表した。前回の鋼材高騰は2008年北京五輪を控えた需要拡大が背景にあったが、リーマンショックによる需要縮小で局面が変わった。一方、現下の物価上昇は原材料・燃料の高騰などコストの上昇によるものが大きく、「コストアップが落ち着く様子が見えない」(同会担当者)のが現状だ。
物価の変動は通常、素材から一次製品、一次製品から二次製品へと波及する。経済調査会は現状について「まだ波及している最中ではないか」と推量する。物価上昇の局面が長引けば、より多くの品目にも影響が出るかもしれない。
買い手である建設業者だけでなく、売り手の資材メーカー、販売店の置かれた状況も厳しい。製造コストの販売価格への転嫁には時間がかかり、タイムラグが重荷となって経営にのしかかる。競合他社の動向を見ながら、じわじわとしか価格転嫁できないのが実情のようだ。
これまでより設計価格の見直し間隔を短縮した発注者が出るなど、価格情報への関心は高まっている。こうした情勢を踏まえ、経済調査会は3月、建設資材価格に関する「臨時情報」を初めて公表。以来、毎月発刊している積算資料から特に変化の大きな品目を抜き出し、ホームページで発信するようになった。「価格への注目の高まりにスピード感を持って応える」と同会の担当者は力を込める。
景気の先行きが不透明感を増す中で、価格情報の透明性は建設企業にとって生命線とも言える。「価格が上がる背景も含めて説明し、納得感ある数字を示すことが我々の役割」。物価上昇への不安に振り回されず、軽視もせず、冷静に見ることが工事の発注者と受注者、資材メーカーを含めて全ての関係者に求められている。
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