物価異変F 相次ぐガラスの値上げ|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

建設ニュース、入札情報の建通新聞。[建設専門紙]
フルハシEPO

物価異変F 相次ぐガラスの値上げ

2022/8/16 

最新情報をメールで受け取る DB会員に申し込む データを購入する いいね ツイート
0

建築用板ガラスは異例の値上げが続いている。

建築用板ガラスは異例の値上げが続いている。

大手ガラスメーカーのAGC、日本板硝子が7月、国内建築用板ガラスの値上げを相次いで打ち出した。いずれも10月1日出荷分が対象で、値上げ幅は最大で40%にも及ぶ。両社は21年10月にも値上げを行っており、1年後に再度価格を改定するのは異例だ。理由には原料や燃料の高騰に加えて、急激な円安の進行によるコスト上昇を挙げた。シーリングやフィルムなどの値上がりもあって、あるガラス工事会社の経営者は「従来の契約単価ではとても商売が成り立つ状態にない」と苦しい状態を吐露する。
 建設工事で使用するガラスは、たとえ同じ品種のガラスでも現場ごとに値段が異なり、「一物百価」とも形容される。一度に使用する量や、設計に合わせて加工する際のカットロスなどが大きく影響するためだ。
さらに、一部のガラス工事会社には「赤字ででも契約にこぎ着け、後から帳尻を合わせようとする」商習慣が残っていると指摘する声もある。
こうした状況もあって、元請けはメーカーがガラス製品の値上げを打ち出したことまでは認識しているものの、個別の現場の材工単価がどれほど上がっているのかは把握しにくい状態にあるのだという。厳しい競争にさらされている元請けのゼネコンからすれば、おいそれと値上げに応じるわけにはいかない。
 元請けを巻き込んで、受注単価の引き上げに理解を得ようと取り組むガラス工事会社もある。あるスーパーゼネコンの下請けに入っているこの会社は、同じ下請けの複数社とともに材料の仕入れ単価や施工単価、販管費率、利益率まで提示し、元請けの調達部門が社内で値上げを協議するための根拠資料をそろえた。「10年後の業界のことを考えたら、無理な単価で契約するような不健全な状態からは決別しなければいけない」とこの会社の経営者は訴える。
 別のガラス工事会社は、この1年ほどの間に、見積り条件を詳細に見直した。材料費の見積りの有効期間にはこれまで「3カ月」などと記載していたが、これを見直して「大幅な値上げが次回あるまで」とした。また、発注時の指定工期から1カ月以上伸びた場合に保管料を請求できるようにした。材料費と労務費だけでなく、適正な品質管理に対する報酬を確保する必要がある、とこの経営者は指摘する。「“あうんの呼吸”が通じた時代もあったが、今は書類に書いてなければ払ってもらえない。意識を変える必要がある」
 全国板硝子工事協同組合連合会の橋本和明会長は昨年、メーカーによる建築用ガラス値上げを受けて適正価格への交渉を呼び掛ける文書を会員向けに発出した。その後も続くメーカーの値上げに対し、「首都圏や地方など、それぞれ事情は異なるが、自社の状況を踏まえて価格交渉に当たってもらうしかない」と力を込める。元請けを巻き込んだ交渉や、見積書の見直しなど、工夫の方法は多種多様だ。「時間も労力もかかるが、各社が努力を積み重ねて、単価を上げられたという実績を作っていくことが重要だ」(橋本会長)
下請けを単価だけでなく品質を含めて評価しようとするゼネコンももちろん多い。下請けと元請けが相互に信頼し、高い品質で施工する―こうした関係を将来にわたって維持できるかが、物価高騰の局面で試されている。

東部
大同機械
この年の国土交通省の発注予定案件 この年の国土交通省予算情報
国土交通省の公共事業ニュース
国土交通省の行政・建設経済ニュース
国土交通省の民間事業ニュース
国土交通省の入札公示情報
  • 関連する入札公示情報は存在しません。
国土交通省の入札結果情報
  • 関連する入札結果情報は存在しません。
  • イヤマトータルブリッジサポート
  • ダイナナ

PR

新東通信
電子版のお申し込みはこちら 新聞(宅配)のお申し込みはこちら

ログイン

ALINCO
システムズナカシマ

企画特集

  • <font color="#ff0000;"><b>[New]</b></font>川崎市まちづくり局特別企画 - 未来をつくる市内の建築物

    [New]川崎市まちづくり局特別企画 - 未来をつくる市内の建築物
    川崎市は7月1日に市制100周年を迎えます。その歴史の中で、数多くの公共・民間建築物がつくられてきました。川崎市を代表する公共建築物を中心に、施工した建設会社の担当者の思いを紹介します。

  • Catch-up

    Catch-up
    働き方改革、デジタル化、カーボンニュートラル…。Catch-upでは建設産業を取り巻く話題、最新の法改正などの動向をタイムリーに紹介しています。

  • 連載「脱炭素のホンネ」

    連載「脱炭素のホンネ」
    改正建築物省エネ法の成立は、建築分野の脱炭素化に向けた大きな一歩となった。新築建物については種類を問わず、省エネルギー基準への適合が義務化されることとなった。だが、ある“難題”がまだ立ちはだかっている。

  • インフラメンテナンス 次の10年

    インフラメンテナンス 次の10年
    9人の尊い命を奪った中央道の笹子トンネル天井板崩落事故から10年がたった。国の調査委員会が「わが国において例を見ない」と形容したこの悲劇をきっかけに、インフラ保全の重要性が改めて強く認識され、日本のメンテナンス行政は大きく動いた。

  • いまから備えるインボイス

    いまから備えるインボイス
    2023年10月以降、事業者が発行する請求書等は適格請求書等(インボイス)になります。建設業もいまから対応に向けた準備が必要です。

入札情報をメールで受け取ろう!!

2,944機関
受付中案件数
3,268 件
本日の入札件数
297 件
昨日の新着件数
1,163 件
東京都|
千代田区|
中央区|
港区|
新宿区|
文京区|
台東区|
墨田区|
江東区|
品川区|
目黒区|
大田区|
世田谷区|
渋谷区|
中野区|
杉並区|
豊島区|
板橋区|
練馬区|
北区|
荒川区|
足立区|
葛飾区|
江戸川区|
八王子市|
神奈川県|
横浜市|
川崎市|
横須賀市|
茅ケ崎市|
平塚市|
小田原市|
相模原市|
大和市|
厚木市|
静岡県|
沼津市|
富士市|
静岡市|
浜松市|
愛知県|
岐阜県|
三重県|
名古屋市|
一宮市|
春日井市|
岡崎市|
豊田市|
豊橋市|
岐阜市|
四日市市|
津市|
大阪府|
兵庫県|
京都府|
滋賀県|
和歌山県|
奈良県|
大阪市|
豊中市|
吹田市|
高槻市|
茨木市|
枚方市|
寝屋川市|
八尾市|
東大阪市|
堺市|
岸和田市|
岡山県|
岡山市|
倉敷市|
香川県|
徳島県|
高知県|
愛媛県|
高松市|
徳島市|
高知市|
松山市|
入札情報 発注予定 建設会社 経審 特集 プレスリリース 商品案内 ネット広告 建設人 予算情報