人生100年時代の建設業(1)
2022/8/17
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改正高年齢者雇用安定法が2021年4月に施行されてから1年余りが経過した。65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業確保措置をとるよう事業主に努力義務を課した同法の成立は、若手人材の確保・定着、多様な働き方を実現するための労働環境や人事制度整備といった建設業の経営課題に、高年齢者雇用という新たな課題を突き付けている。
総務省の労働力調査によると、21年平均の建設業就業者数は482万人で、このうち60歳以上の就業者が124万人(約25%)を占めている。就業者数に比例して、技術者・技能者数のいずれもが減少傾向にある。
少子高齢化が急速に進展する中で、ベテランの経験に裏付けされた高い技術・技能や、築き上げた人脈を職場で継続して力を発揮してもらうことは、担い手を確保するためだけでなく、建設業の持続可能性を担保する上でも極めて重要だ。ただ、高年齢者の雇用は企業にとっては労働災害リスクの増加、世代交代の停滞といった問題をはらみ、高年齢者本人にとっては健康管理やモチベーションの維持といった新たな課題を生み出している。
特に、労働安全衛生対策は重要であり、事業主に課せたられた義務でもある。21年に発生した労働災害のうち、全産業合計で60歳以上の労働災害は全死傷者数の約4分1を占め、3万8574人(20年比10・4%増)に上る。
厚生労働省労働基準局の担当者は「(高齢者の雇用は)加齢による身体機能の低下で被災のリスクが高まる」と話す。特に建設業では、高所や炎天下での作業など、体力面で配慮を要する場面が多い。おのずと労働安全衛生対策の重要性が他産業にも増して大きくなる。当然、高齢者の雇用機会の増大は、安全衛生教育の充実と一対のものでなければならない。
高年齢者の割合が多い建設業だからこそ、働く意欲がある誰もが、年齢にかかわりなく、その能力を十分に発揮できる職場づくりを率先して進めることが求められている。働き手と雇用者の双方が「より良い関係づくり」のために、さまざまな課題と向き合い、独自の取り組みを行っている事例を通じて、高年齢者雇用の在り方を考えたい。(東京支社=監物由香理)
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