自治体共通の調達システム 年内に方向性示す
2023/10/23
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総務省は、工事・業務などの公共調達に関して、自治体に共通の電子システムの構築を検討している。このため、入札参加資格審査や入札、契約などの書類と手続きをのうち、共通化できる項目を精査。可能な手続きについては、オンラインで完結できるようにし、受注側の事業者の負担軽減につなげる。年内に方向性を示すとしている。
システム構築に先行してまず、調達に関連する書類の様式や手続きの共通化を検討する。対象としては▽入札参加資格審査▽案件情報公開▽入札▽契約▽完了届・検査▽請求・支払い―の各段階を視野に入れている。
多くの自治体では、地域の実情や政策的な要請に応じて、企業の本店所在地や防災協定の有無などを入札参加要件に取り入れている。共通化がアウトサイダーの極端な増加につながれば、地域の小規模事業者が入札から排除されることも懸念される。事務負担の軽減などのメリットとともに、こうした課題も踏まえ、どこまで共通化するかが論点となりそうだ。
共通化の手法については、技術的な助言による誘導の他、法令による自治体への義務付けも考えられる。
総務省は2024年以降、総務省と自治体の調達担当者によるワーキングチームを設置。共通化の範囲やシステムの在り方、スケジュール感などを議論していく。
共通の電子システムの構築に当たっては、現行の自治体の取り組み状況を考慮して位置付けや機能を検討する。東京都内のように、既に自治体の共同運営による電子調達サービスが運営されている地域もあれば、自治体ごとに独自様式の紙の書類で対応している地域もあり、共通化には一定程度、時間がかかりそうだ。
公共調達に関する電子的な共通システムの例として、公共工事については、国土交通省をはじめ国の機関の情報を提供する「入札情報サービス」(PPI)がある。また、物品・役務については政府の「電子調達システム」(GEPS)がある。こうした仕組みも参考とする。
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