三井不 今後の物流開発、相模原にデータC
2024/7/16 神奈川
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木材を積極的に活用した「MFIP海老名」も開発する
【相模原】三井不動産(東京都中央区日本橋室町2ノ1ノ1)は、ロジスティクス事業の開発計画を発表した。今後は生成AIなどが普及することでデータセンターの需要が高まると判断。相模原市内と東京都日野市内でデータセンターを建設する計画を明かした。神奈川県内ではこの他、木材を積極的に活用した「MFIP海老名」(海老名市)が2025年3月に着工する予定となっている。
同社はこれまで3棟のデータセンターを開発してきた。電子情報技術産業協会(東京都千代田区)の予測では国際的なデータ通信量が30年には23年の5倍以上となる約6万エクサバイトに増加する見込みであり、三井不動産による通信事業者へのヒアリングでも、生成AIや5Gの普及に伴い早期のネットワーク構築の要望があるという。データセンターの需要が急激に高まっているとみて、積極的に用地取得を進める考えだ。用地の選定に当たっては、災害リスクが小さく、十分な電力インフラが確保できる場所を中心に情報を集める。
今後の開発物件としては、相模原市と東京都日野市で各1物件が具体化している。出力は2件合計で約260㍋hとする見込み。セキュリティー対策のため、建設場所や規模などの詳細は明らかにしていない。
データセンター以外では、「MFIP海老名」の開発を計画している。規模は4階建て延べ4万0040平方b。「MFIP(三井不動産インダストリアルパーク)」は、旗艦ブランドの「MFLP(三井不動産ロジスティクスパーク)」から派生したシリーズで、物流用途だけでなく研究施設やオフィスなどの機能を備えた産業拠点の創出を目指す。
構造材と内装・仕上材の一部にはグループが北海道内で所有する森林の木材を調達。木材が施設従業員に安らぎや温もりを感じさせ、生産性の向上につながると同社は考えている。
建設地は海老名市勝瀬・大谷地内の敷地2万9510平方b。圏央道の海老名インターチェンジから約2・8`の場所にある。
近隣には海老名市役所やショッピングモール「イオン海老名店」などがあり生活利便性も高いため、隣接地も開発し複合的なまちづくりを目指す。西側には別途、三井不動産レジデンシャルが100戸程度のマンションを建設。また、「MFIP海老名」の従業員や地域住民の活用を見込んで東側に温浴施設を誘致する。
また、建設中の施設として「MFLP横浜新子安」がある。規模は鉄骨造5階建て延べ13万6641平方b。建設地は横浜市鶴見区生麦1ノ2036ノ32他のENEOS横浜製造所第6工場跡地6万0189平方b。ENEOS不動産(横浜市中区)との共同開発となる。設計・施工は日鉄エンジニアリング(東京都品川区)が担当し、25年2月の完成を目指す。
冷凍・冷蔵倉庫、厚木エリアも候補に
開発計画ではこの他、冷凍・冷蔵倉庫の開発に注力する方針を示す。25年6月に着工する「MFLP杉戸」(埼玉県杉戸町)は、同社初のマルチテナント型施設とする予定だ。他の開発エリアの一つとして厚木市周辺を挙げている。
倉庫市場では近年、物流施設の供給増加により賃料が上がらない一方、建設費の高騰も課題となっているが、執行役員ロジスティクス本部長の篠塚寛之氏は「投資額を予算内に収めるため、設計者と施工者と相談の上で早めに仕様を決定し、効率的な施工方法を考えている」と対応を説明する。施工者の選定に当たっては、同社の物流施設で約10件を受注したJFEシビル(東京都台東区)と錢高組(東京都千代田区)をはじめ、施工実績のある企業を中心に検討する。
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