GLP 冷凍冷蔵倉庫に2000億円投資
2024/12/9 神奈川
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フラッグシップと位置付ける「GLP川崎U」
【川崎】日本GLP(東京都中央区八重洲2ノ2ノ1)は、2024〜28年度に冷凍冷蔵倉庫の開発に2000億円を投じる。全国で9棟を開発し、累計倉庫面積は23年末からほぼ倍増の13万坪を目指す。首都圏では延べ床面積約20万平方bのマルチテナント型施設「GLP川崎U」をはじめ4棟の開発を計画している。
同社は冷凍食品の国内消費量が増加する一方、建て替えの目安とされる築40年以上の冷蔵倉庫が3割以上を占め、老朽化が課題となっていると分析する。冷蔵倉庫の容積が国内の15%を占め、都道府県別で最も割合が高い神奈川県では40%が築30年以上となっており、多くの冷蔵倉庫の更新時期が迫る。
建て替えに当たっては、冷凍冷蔵倉庫の建築費が常温倉庫の2倍以上となる上、近年の建築費の高騰により従前よりも30%は上乗せしなければならず、資金面で課題をかかえる事業者が多いとみている。また、既存施設の空室が少ないため建て替え工事中の荷物の保管先を求めるニーズも高いことを踏まえ、さまざまな事業者の要望に対応できるマルチテナント型施設を中心に、冷凍冷蔵倉庫の開発を加速する考えだ。
GLP川崎Uは奥村組で3月着工
「GLP川崎U」は同社のフラッグシップと位置付ける。規模は鉄筋コンクリート造5階建て延べ20万4720平方b、高さ42b、収容能力約17万6000d。常温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応する。最小区画は約2600平方bで35区画に分割可能として、入居企業同士の交流も促す。奥村組東日本支社(東京都港区)の施工で25年3月の着工、27年8月末の完成を目指している。
冷凍冷蔵設備としてマイナス20度以下のF(フローズン)級冷凍機34台、マイナス20度〜プラス10度のC(チルド)級冷凍機116台、陽圧機能を持つ冷凍機10台を設置。室外機は18HP(馬力)クラスを10台、20HPクラスを35台導入する。
施設は中央の車路を挟んで西側にA棟、東側にB棟を配置する。各階にトラックバースを設け、2本のランプウェイにより地上から直接アクセスが可能とする。トラックバースの収容台数は342台。駐車場は乗用車用566台と待機中のトラック用45台の計611台分を確保する。
建設地は川崎市川崎区扇町15他の敷地8万2360平方b。現在の成約率は25%。
首都圏では「GLP川崎U」以外に、千葉湾岸で3棟の開発を計画しているという。
データCにも注力、建設費は年間1000億超に
同社は冷凍冷蔵倉庫以外にもデータセンターの開発にも注力。従来の常温倉庫中心の開発からシフトし、仕様の複雑化、工期の長期化が進んでいる。開発・営業担当者によると、建設業の人手不足、半導体工場の建設ラッシュの影響もあり、施工者選定の際には1物件に2社以上が手を挙げることは少ない状況という。
また、建設業の働き方改革と建設資材価格の高騰により、建設費の上昇は30年ごろまで続くと予測。建設会社への発注額は19〜23年の平均で約600億円だったが、近いうちに年間1000億円を超える見込みだ。
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