日本水素エネルギー 受入基地に5月着工
2025/1/20 神奈川
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設置する水素貯蔵タンクのイメージ(川崎市ホームページより)。容量は約5万立方b
【川崎】日本水素エネルギー(東京都港区虎ノ門1ノ2ノ3)は、「JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)扇島地区」の土地約18fで開発する水素受け入れ基地の概要を明らかにした。親会社の川崎重工業(東京都港区)と共同で容量約5万立方bの貯蔵タンクや水素、窒素の圧縮機などを設置する。5月に着工し、2029年度中の工事完了を目指す。設計者・施工者は非公表としている。
建設地は川崎市川崎区扇島8の敷地18万3167平方b。JFEスチール(東京都千代田区)から賃借し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業として液化水素サプライチェーンの商用化実証事業を行う。
同実証事業は、岩谷産業(大阪市中央区)とENEOS(東京都千代田区)と共同で28〜30年度に実施し、年間数万d規模の液体水素を1ノルマル立方b当たり30円の供給コストで海上輸送する技術の確立を狙う。計画当初は液体水素をオーストラリアにあるビクトリア州ヘイスティングス地区から輸入する予定だったが、国内から水素ガスを調達する方法に変更した。受入量は年間約2万d。
商用化のめどが立てば液化水素の輸入を開始し、水素ガスに気化した上でパイプライン事業者に供給する。受入量は年間約3万d。
設置する大型水素タンクは三重殻平底円筒地上式貯槽を採用する。規模は直径57b、高さ43b。マイナス253度の液体水素約5万立方bを貯蔵可能とする。また、容量300立方bの小型タンクも2基整備する。
この他、液化水素圧縮機2基、水素圧縮機4基、窒素圧縮機4基、軸受ガス圧縮機2基、冷却塔設備3基といった生産設備を設置。建屋の規模は鉄骨造2階建て総延べ6244平方bとなる。荷役設備として、タンクと船舶間で水素ガスや液体水素を運ぶローディングアームシステム3基を設ける。
液化水素の気化には海水を使うため、海中に取水・放水設備をそれぞれ整備する。設置場所付近を浚渫した上で、配管やピット、取放水口を配置する計画だ。
緑化計画として、高木1100本と中木2199本、低木2万6377本を植栽。以前は鉄鉱石置き場などとして使用されていたため植樹に適さない土壌であることが見込まれ、1万6538立方bの客土を行う予定だ。緑地面積は4万8158平方b。
「JFEスチール東日本製鉄所(京浜地区)」を巡っては、JFEホールディングス(東京都千代田区)と川崎市が高炉停止に伴い、約400fの土地利用転換を進めている。日本水素エネルギーが賃借する土地は、「JFEスチール株式会社東日本製鉄所京浜地区の高炉等休止に伴う土地利用方針」で、早期の土地利用転換を進める先導エリア約70fの一部に当たる。
残り約50fに関しては、「高度物流拠点」「港湾物流拠点」を誘致する考え。早ければ25年度から既存施設の解体や施設整備を行い、28年度に一部で供用を開始する。
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