恵那市 SL復元準備委員会を設立 資金と継続性を議論

中部

あいさつする阿部伸一郎氏(右)

 恵那市は12月8日、第三セクター明知鉄道によるSL(蒸気機関車)の復元運行に向けて「SL復元準備委員会」を設立した。委員の任期は2年。課題解決の見通しが立ち次第、施設や設備の整備に着手する方針だ。  当日開かれた第1回委員会では、正副会長を選任し、2025年度事業計画案を可決した。会長に就任した阿部伸一郎氏は「『リニアとSLがクロスする世界唯一の町』というキャッチコピーは、地域活性化につながる。恵那の将来のため、SLをどう活用していくかをきょうから検討したい」と述べた=写真。  復元運行は、23~24年度の検討で「資金調達」「事業継続」を条件に可能と判断された。今後、準備委員会で議論を深め、条件が整えば、観光・経済団体、住民、市などで構成する「(仮称)SL推進組織」を運営主体として発足させる方針だ。  復元するのは2両のSL機関車で、恵那駅・岩村駅・明智駅間を往復する計画。(仮称)SL推進組織または運行受託者の明知鉄道が駅の基本・具体設計や、明智駅への集塵装置・給水タンクなどの設置、SL運行を想定した軌道整備などを進める。また、SLの点検や修繕を行う検修庫を岩村駅に整備する他、乗降駅の駐車場や沿線のビューポイントなどの整備も計画している。  ボイラー・車両整備などにかかるイニシャルコストは10億7500万円、ランニングコストは年間1億5600万円、運賃収入は年間8550万円を見込む。一方、経済波及効果は年間13億3480万円となる想定だ。