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暑さに負けない!B 応急処置のポイント

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 7月は最高気温が40度近くまで上がり、危険な暑さになる日もありました。8月も猛暑となる見込みで、引き続き熱中症に注意が必要です。熱中症はすぐに適切な応急処置を行うことで、重症化を防ぎ後遺症を軽減することができます。めまいや頭痛、吐き気、体温が高い、筋肉痛など、熱中症を疑う症状がみられたら、まず意識の有無を確認してください。意識がある場合は、すぐに応急処置を行いましょう。意識がない場合は救急車を呼び、救急車が到着するまでの間に応急処置を始めてください。応急処置のポイントは次の三つです。
 まず、涼しい場所に移動しましょう。屋内では冷房の効いた涼しい部屋、屋外では風通しのよい日陰などに移動してください。
 次に、衣服を緩めて体の熱を放出し、体を冷やしましょう。保冷剤や氷枕、冷えたペットボトルなどをタオルでくるみ、体表近くに太い静脈がある場所(両側の首筋、脇の下、足の付け根など)を冷やすと効果的です。皮膚に水をかけたり、濡れタオルを体にあて、うちわなどで風を当てたりして体を冷やす方法もあります。
 そして、水分・塩分を補給しましょう。ここで大切なのは、自力で水分補給ができるかどうかです。吐き気や嘔吐(おうと)があり、意識がない場合は、誤って水分が気道に入る危険性があるので、無理に水分を与えないようにしてください。屋外で作業をしていた状況では、汗をかいて塩分も失われているため、スポーツドリンクや経口補水液、食塩水(1gの水に対して1〜2cの食塩を加える)などで塩分も補給しましょう。
 応急処置を行っても症状が改善されない、または、自力で水分摂取ができない場合は、すぐに医療機関を受診してください。熱中症は症状によって急速に進行し重症化する場合があります。医療機関で迅速に治療することができるよう、その場に居合わせた人が付き添って、発症までの経過や発症時の症状などを伝えるようにしましょう。
 前日に暑い環境で作業をして十分に水分や休息をとらないと、体内の水分や塩分が失われたままになってしまい、翌日にめまいや倦怠(けんたい)感などの症状が出ることがあります。暑い場所で過ごした後は、十分に体を冷やし、水分や塩分を補給しましょう。
 これから猛暑のピークを迎え、熱中症のリスクが高まります。万全な熱中症対策を心がけ、少しでも体に異変を感じたら、無理せず、すぐに応急処置を行ってください。
(寄稿 執筆者 日本気象協会所属 気象予報士/防災士/熱中症予防指導員 久保智子)

執筆者プロフィール

日本気象協会 久保智子さん

日本気象協会 久保智子さん