もらわないと損! 建設業でも使える助成金 第5回 教育訓練を行う際に活用できる助成金
いいね | ツイート |
0 |
従業員のスキルアップ、キャリアアップのために教育訓練を行う場合、助成金が支給されます。教育訓練の助成金の代表的なものといえばキャリア形成助成金がありますが、建設業の事業主向けに建設教育訓練助成金という助成金もあります。訓練の内容によっては、2つの助成金をダブルでもらえるケースもあります。
【キャリア形成促進助成金】
キャリア形成促進助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進する為、職業訓練等を段階的かつ体系的に実施する事業主等に対して支給されます。
■支給要件
下記のいずれの要件にも該当すれば、支給申請が可能です。
@雇用保険適用事業所の事業主であること。
A労働組合等の意見を聞いて、事業内職業訓練開発計画、年間職業能力開発計画を作成し、その雇用する労働者に周知していること。
B「職業能力開発推進者」を選任し、都道府県職業能力開発協会に選任届を提出していること。
C労働保険料を過去2年以上滞納していないこと、過去3カ年間助成金の不正受給がないこと。
D実施する訓練等について、あらかじめ、雇用・能力開発機構都道府県センターの受給資格認定を受け、かつ、給付金の支給要件に合致していること。
■主な給付金と対象となる職業訓練の例
訓練等支援給付金
対象職業訓練…OFF-JTにより実施される訓練であり、訓練コースが10時間以上であること
例
・建設業(設備工事業)の場合…各種工事施工管理技士等受験準備講習会、空調システム・設備関係技術研修など
・総務・事務職種の場合…ISO内部監査員養成研修、ホームページ制作実践講座など
■支給額
経費助成…訓練に要した経費の3分の1
賃金助成…訓練の実施期間中に支払った賃金のうち、訓練時間に応じた額の3分の1
※経費助成は、訓練時間が300時間未満の場合は1人当たり5万円が限度です。
■手続き
訓練の終了した日に応じて、4〜5月、10〜11月の年2回、支給申請書を雇用・能力開発機構の都道府県センターへ提出します。
※平成23年10月1日より、相談・申請窓口が各都道府県労働局となります
【建設教育訓練助成金】
建設教育訓練助成金は、中小建設事業主等が、雇用する建設労働者のために技能講習または特別教育を行う場合や技能実習等を受講させた場合、実施に要した経費や労働者の賃金の一部が助成される助成金です。
■支給要件
下記のいずれの要件にも該当すれば、支給申請が可能です。
@建設業であること。
A雇用保険の保険料率が18.5/1,000であること。
B資本金が3億円以下または従業員300人以下の建設業であること。
C受講者が雇用保険の被保険者であること。
■主な適用される講習科目
[技能講習]
・車両系建設機械 (整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
・小型移動式クレーン 運転技能講習 (1t以上5t未満)
・不整地運搬車 運転技能講習(1t以上)
・高所作業車 運転技能講習(10m以上)
・床上操作式クレーン 運転技能講習 (5t以上)
・玉掛け 技能講習
・ガス溶接 技能講習
[免許]
・移動式クレーン 運転実技教習
[特別教育]
・小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転特別教育
・ローラーの運転 特別教育
・アーク溶接 等の業務
・低圧電気の取扱業務
・クレーンの運転 特別教育(5t未満)
■支給額
技能実習
経費助成…技能実習の実施に掛かる経費、受講料の約70%
賃金助成…1人あたり1日7,000円かつ20日分を限度(1日3時間以上受講した日に限る)
■手続き
実習等を終了した日から、原則として2ヵ月以内に支給申請書を雇用・能力開発機構の都道府県センターへ提出します。(技能実習の場合)
※平成23年10月1日より、相談・申請窓口が各都道府県労働局となります
執筆者プロフィール
須山由紀子
飯島総合会計事務所・社会保険労務士
http://www.is-tax.co.jp/