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現場に生かす天気の話
第28回・最終回 春の訪れと天気の周期変化

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 春の訪れを日々実感するようになってきたこの時期、現場で注意して頂きたいのが「天気の周期変化」です。この周期変化をもたらしているのは、日本列島を、西から東へ交互に通過する低気圧と高気圧です。
 まず、低気圧や前線が近付くと、現場では雲が厚みを増し、雨が降り始めます。南よりの風が吹くため、気温は比較的高めですが、低気圧が発達している場合は、強風が吹き荒れ「春の嵐」に見舞われることもあります。
 その後、低気圧が過ぎ去ると、高気圧が近付いてきます。天気は回復し、日差しの戻る所が多いものの、風向きが北よりに変わって寒気が流れ込み、気温が下がります。高気圧が通過した後は、再び低気圧が近付き、天気が崩れることになります。
 低気圧と高気圧は、それぞれ3日から4日かけて日本列島を通過していくため、3日から4日の周期で天気が変化します。
 現場では、特に、次の2つの点に注意して対策を講じるといいでしょう。1つ目は、低気圧通過時の風向の変化です。低気圧の通過前は「南より」、通過後は「北より」と逆方向へ急変します。クレーンの固定や高所での作業は、1時間ごとに表示されている風向風速予測を活用するといいでしょう。
 2つ目は、高気圧接近時の気温低下です。冬の名残の寒気が南下しやすいため、夜間などは急激に冷え込むことがあります。コンクリート打設時は注意が必要です。

執筆者プロフィール

ライフビジネスウェザー 気象予報士 櫻本美香

櫻本美香
ライフビジネスウェザー 気象予報士
kiyomasa@lbw.jp
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