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建設・住宅業界に「再編時代」が来た! 第4回 成功するM&Aの秘訣

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 アメリカにおいては、最終的に自社を売却することを想定し、企業価値を高めることを考えながら経営するオーナーは多い。そのためアメリカのM&A市場においては譲渡企業案件が豊富で、また大手企業からの買収オファーがあれば、オーナーは積極的に売却を検討する。

 日本では、アメリカほどM&Aに対するオーナーのマインドはオープンではないが、日本M&Aセンターにおいて譲渡企業からの相談に応じてマッチングを行うと、譲渡企業1社に対して買い手企業の候補が複数社現れるのが通常である。

 よって譲渡企業オーナーは複数ある買い手候補企業からベストパートナーを選ぶことになり、逆に譲受企業は複数いる買い手企業の競合の中から自社が選ばれる努力が必要になる。

 自社が選ばれるには、良いM&Aを実現することにおいて、相手に対して自社の将来ビジョンや経営理念をうまく伝えることが重要である。

 ここで好例を紹介したい。建設業界においてM&Aを積極かつ、有効的に活用している企業が桧家ホールディングスである。同社は2011年に池田住販並びに三栄ハウスを買収することを立て続けに発表し、2014年には北都ハウス工業のM&Aを実現している。譲渡企業となった3社はどちらも地域でトップクラスの企業であり、買収希望企業も多く存在した。しかしながら桧家ホールディングスが選ばれたのは、譲渡側のオーナーが譲受側の経営者の将来ビジョンや経営理念に対して賛同したからである。建設業界においては今後一層、再編が進むことが予想される。

 業界で勝ち残っていくにはM&Aの積極的な活用が有効であり、相手企業と将来ビジョンや理念を共有することがM&A成功の第一歩であるといえる。

執筆者プロフィール

株式会社日本M&Aセンター 業界再編部M&Aディールマネージャー 澤田隆

澤田隆
株式会社日本M&Aセンター 業界再編部M&Aディールマネージャー
sawada@nihon-ma.co.jp
株式会社日本M&Aセンター http://www.nihon-ma.co.jp/ お問い合わせは澤田隆まで