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建設・住宅業界に「再編時代」が来た! 第6回(最終回) 業界再編でビジネスが変わる

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日本において人口の減少は深刻で、それに伴い中期的に企業数も減少している。人口減少に加えて人々のライフスタイルの変化に対応するための企業再編が加速し、企業が求められる役割も変わっている。

例えば、カーシェアリング大手のタイムズ24はパーク24株式会社(東証:4666)の関連会社であり、駐車場開発の大手でもある。直営駐車場だけでも全国に14,717件、513,789台の駐車スペースを保有しており、ネットワーク化することで新業態であるカーシェアリングビジネスを展開することができた。

またコンビニエンスストア大手のセブンイレブンは全国に17,491店舗を展開しており、ATM業務をはじめ、宅配や行政サービスまで受け付けている。他にも金融業や小売業、卸売業等の様々な業界で見られるように、大手企業の規模の拡大、市場シェアの獲得が進むにつれて、大手企業とそれ以外の企業とで、業態や社会に求められる役割が異なってくるのである。そして、業態が変わるにつれて大手企業とその他とで収益性も大きく異なってくる。

駐車場も数が少ないと単なる駐車場だが、再編されシェアが高まるとカーシェアのビジネスとなる。コンビニも1店舗だと影響力は少ないが、生活に欠かせないほどの影響力を持つようになった。

建設業界においてはスーパーゼネコンの地位は不動だが、中堅ゼネコンはシェア争いが激しくなり、工務店業界においては、大手企業10社のシェアが20%程度で、再編の動きはこれから一気に加速していく。

この業界でも人口減少の影響は大きく、とりわけ建設・不動産業界では、「新たに建てる」から「メンテナンス」「リニューアル」「リフォーム」などへとニーズが移り変わってきている。こうした動きも、再編を後押しする大きな要因になるだろう。

業界再編とは、「1社ではできないことを集まることによって実現すること」に対するきっかけにもなる。M&Aにより多角化を進めてきた大和ハウス工業や積水ハウス、6社統合を実現させた飯田グループホールディングス等は、再編により「強者連合」となった。
「グループの相乗効果による付加価値を出せる企業」や「低価格にも関わらず安心できるブランド力がある企業」として新たな社会的役割を持つであろう。

日本M&Aセンター業界再編部では、建設・住宅業界の再編の中心となるオーナー経営者のサポートをしていきたいと考えている。

執筆者プロフィール

株式会社日本M&Aセンター 業界再編部M&Aディールマネージャー 澤田隆

澤田隆
株式会社日本M&Aセンター 業界再編部M&Aディールマネージャー
sawada@nihon-ma.co.jp
株式会社日本M&Aセンター http://www.nihon-ma.co.jp/ お問い合わせは澤田隆まで