建設キャリアアップシステムQ&A
第2回・元請け 現場管理の効率化に期待
いいね | ツイート |
0 |
Q3. 技能者を雇用する専門工事業者のメリットは
雇用する技能者の就業実績、保有資格などが統一的に蓄積されることで、自社が抱える技能者の水準を客観的に把握できるとともに、その施工力をアピールすることが可能になります。人材の育成に努め、優秀な技能者を多数抱える専門工事業者は、これを発注者や元請け事業者にアピールすることにより、受注機会の拡大につなげていくことが期待できます。
さらに、技能者の能力評価基準の策定を通じ、これを基に、将来的には専門工事業者の評価にもつなげていきたいと考えています。
Q4. 現場を管理する元請けのメリットは
システムを活用して、自社の複数現場における技能者の就業状況(日単位)や現場状況を一元的に確認することができる他、現場のセキュリティや安全対策、さらには社会保険の加入状況や資格保有の確認など、現場管理の効率化を図ることが期待できます。
工事完了後であっても現場ごとの技能者の就業状況を確認できるので、現場のコンプライアンスやトレーサビリティの確保にもつながるものと考えています。
また、元請け事業者として優秀な人材を抱える専門工事業者の選定に活用できる他、顧客に対して施工に携わる技能者のスキルをアピールするといった活用も可能になります。既に自社で独自の就労履歴システムを運用している事業者においては、建設キャリアアップシステムとの連携により、システムの拡充や合理化を図ることも可能です。
Q5. 公共工事の現場で登録は義務付けられるのか
システムへの登録は、公共工事、民間工事の区別なく任意です。システムの意義や効果に賛同する事業者・技能者から順次普及していくものと考えています。
Q6. システムを開発し、運営するのは国土交通省なのか
開発・運営の主体は建設業振興基金です。国交省は新たに発足する「建設キャリアアップシステム運営協議会(仮称)」の一員(会長)として、システムの運用方針などの検討、決定に携わります。
また、建退共制度における証紙の貼付状況の確認が確実かつ容易になるとともに、技能者・事業者がおのおのの就業実績や資格取得などの状況を確認することを通して、さらなる技能の研さんや資格の取得につなげていくことが可能になります。
さらに、建設業をいったん離れた技能者が再入職する際には、離職以前に習得した資格・研修や現場経験を客観的に証明できるといった活用が期待されます。
(2017/1/31 東京版 掲載記事より)
(ページ最終更新 2017/2/27)
執筆者プロフィール
技能者の就業履歴を蓄積する「建設キャリアアップシステム」。「システムに登録するメリットは何か」「どのような情報を登録するのか」「登録料金はいくらなのか」―――事業者・技能者が抱く疑問に、コンソーシアムの事務局を務めた国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課に答えてもらった。