残業規制 土木26%で特別条項超過
2024/5/10
いいね | ツイート | |||
0 |
日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が2023年11〜12月に行った調査によると、会員企業が施工した土木工事の67%で時間外労働の原則ルール(月45時間、年360時間)を超過していたことが分かった。時間外労働の上限を年720時間以内などに引き上げる三六協定の特別条項を上回った現場も、26%あった。日建連は、各現場で上限規制を順守できるよう、土日閉所による完全週休2日の原則導入、適正な工期設定と条件明示の徹底などを公共工事の発注者に求めている。
会員企業が22年10月1日〜23年9月末までに施工していた3億円以上の土木工事を調査した。
時間外労働の原則ルールを超過した現場を発注機関別に見ると=グラフ参照=、高速道路会社が73%と最も高く、特別条項に抵触していた現場も37%と最も高かった。国土交通省の直轄工事(道路・河川)では原則ルールを68%、特別条項を25%の現場で超過。地方自治体の発注工事は原則ルールを62%、特別条項を23%の現場で超過した。
各発注機関の現場閉所の実績を見ると、土日閉所による4週8休以上を達成した現場は全体の50%。前年度の同じ調査と比べ17ポイント増加した。日建連は、時間外労働の上限規制を順守するため、土日閉所を基本とした週休2日の実現が不可欠だとして、契約済みの工事も含めた土日閉所の原則導入を求めている、
また、時間外労働の上限規制を順守するために発注者に求めたいこととして、「当初発注における適切な工期設定」との回答が51%で最も高く、「提出書類の削減」の39%、「条件変更に伴う適切な工期延期」の32%が続いた。
「適正工期 発注者が増加費負担を」
適正な工期設定を求める声が強い一方、その際に施工管理要員や現場の技能者の増加が予想されるとして、増加費用を発注者が負担する必要性も指摘している。会員が受注した直轄工事(道路・河川)での調査結果を見ると、▽現場職員の増員▽派遣の増員▽本支店支援▽業務外注▽生産性向上ツールの導入―などが上乗せされ、請負金額の平均1・6%を受注者側が負担していたという。
関連記事
- PFIガイドライン改正へ 物価変動の対応強化 (5/31)
- 外国人向け安衛教育 無料講座の募集を開始 (5:00)
- 6月にeYACHOセミナー開催 メタモジ (6/1)
- JMC ICTで現場の生産性向上呼び掛ける (5/31)
- 水循環基本計画 基本方針に「流域総合水管理」 (5/31)
- 石川県復興基金に特別交付税520億円 (5/31)
- 4月の大手50社受注 2カ月連続で増加 (5/31)
- 4月の住宅着工 11カ月ぶりに増加 (5/31)
- 中小の省力化投資支援 建設DXの追加を指示 (5/31)
- 全国の舗装工事を調査 契約外の再生材利用で (5/31)
特集コーナー
このコーナーでは、入札情報関連の話題や建設業界注目の情報、工事ニュースなどを取り上げます。