建設業の資格が変わるA 技術検定の学歴要件廃止
2024/5/15
いいね | ツイート | |||
0 |
技術検定の受験者数は長期的に減少傾向にある=グラフ参照。1級土木の学科試験(2021年度からは第1次検定)の受験者数は04年度に5万9881人いたが、23年度は3万2931人と45%減った。1級土木施工管理技士の資格を取得できる最終合格者数も50・1%減った。建設業就業者の減少と歩調を合わせ、受験者・合格者数が半減している。
この間、国土交通省は、制度改正によって受験者数や合格者数の回復を図ってきた。21年度には、第1次検定の合格者が技士補の資格を取得できるようになり、1級技士補を監理技術者補佐として現場に配置できるようにもした。
技術検定だけでなく技術者制度も一体で見直し、制度全体の合理化も進めている。このため、現場に配置する技術者不足といった「ただちに施工に支障が生じる状況にはない」(不動産・建設経済局建設業課)というのが国交省の見方だ。
ただ、技術者の高齢化や若年入職者の減少を踏まえれば、建設技術者の入口≠ナある技術検定の受験者数と合格者数の減少は、建設業の施工力を左右する深刻な課題だ。
こうした実態を踏まえ、国交省は24年度に大幅な技術検定制度の改正に踏み切った。1級第1次検定の受験資格要件である実務経験年数を廃止し、19歳から第1次検定を受験できるようにした。第1次検定合格後、実務経験3年(特定実務経験1年含む)で第2次検定も受験できるようにし、最短であれば、22歳で1級施工管理技士の資格が取得できるようになった。
実務経験の学歴の要件も廃止した。これまで、指定学科以外の普通高校の卒業者は11・5年以上の実務経験がないと、受験資格を得られなかったが、24年度からは普通高校の卒業者であっても、制度上は22歳で1級施工管理技士の資格取得が可能になっている。
改正に対する業界の期待は大きく、4月1日入社の新卒者に1級第1次検定を受験させたい各企業の声を受け、国交省は土木・建築などの受験申請の期限を4月5日に延長した。
中途採用で転職者を受け入れる際にも、この改正は追い風だ。指定学科以外の高校・大学を卒業していても、19歳以上であれば実務経験がなくても受験資格を得られるため、他産業から建設業へと転職する前であっても第1次検定を受験できる。
建設業と同じように、他産業も若年層の離職者が増えている。雇用の流動化が避けられない今だからこそ、「資格制度が建設業への橋渡し≠ニしても機能するのではないか」(建設業課)という期待もある。
この年の国土交通省の発注予定案件 | この年の国土交通省予算情報 |
国土交通省の公共事業ニュース
国土交通省の行政・建設経済ニュース
国土交通省の民間事業ニュース
|
国土交通省の入札公示情報
国土交通省の入札結果情報
|
特集コーナー
このコーナーでは、入札情報関連の話題や建設業界注目の情報、工事ニュースなどを取り上げます。