土木学会 磯部雅彦新会長インタビュー
2014/6/17
ことし11月に100周年を迎える土木学会の第102代会長に就任した。「100周年をいい機会と捉え、市民、特に若い人たちが土木に一層の魅力を感じられるよう訴えていきたい」と就任の抱負を話す。
業界全体の最重要課題である若手技術者・入職者不足への対策に関しては、大学や高等専門学校よりも早い段階から出前講義などで土木への理解を深めてもらう教育をしていく。そして社会人には、刻々と変わる社会情勢や新技術を学ぶ機会を設けることも必要だと提案する。
一方で、若者だけでなく、高齢化に伴う労働人口割合の低下が避けられない情勢の中、「高齢社会を乗り切るためにも、高齢者や女性を含む全ての人々が、社会のために快適に働くことができる環境を築くことが重要。生きがいを感じながら社会に貢献していただくための問題提起や提言をしていきたい」と語る。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた社会資本整備の方向性については「1964年東京五輪が開催された時代は、国民の価値観が経済成長を目指して一致団結していた。今は、いかにして環境に与える影響を少なくしながら、大会を成功させるかが課題」だと指摘。その上で、「五輪後を見据えた東京の在り方を議論する場を提供することが、土木学会の役割でもある」と強調する。
「経済成長だけを目標として進んでいく時代ではなくなってきた。これからは、子や孫の世代も含め、安全で生き生きとした生活を持続的に続けられる社会を創ることが、私たちの世代の役目だと認識している」。時代の要請に応える土木学会をけん引していく。
【略歴】
1975年東京大学工学部土木学科卒業。81年東京大学工学博士。92年東京大学工学部土木工学科教授。2009年東京大学副学長を経て13年、高知工科大学副学長に就任した。1952年生まれの61歳。戦後生まれでは初めての会長となる。東京都出身。
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