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暑さに負けない!A 今日からできる対策

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いつでもどこでも誰でも条件次第で熱中症になる危険性がありますが、正しい予防方法を知り、普段から気をつけることで防ぐことができます。熱中症対策の三つのポイントに沿って確認しましょう。
 まず、日頃から暑さに負けない体づくりを心がけましょう。暑い日に屋外で過ごしたり、久しぶりに暑い環境で活動したりすると、暑さに慣れていないため、熱中症のリスクが高まります。無理のない範囲でストレッチやウオーキングなどを継続して行い、汗をかく習慣を身につけて徐々に体が暑さに慣れる(暑熱順化)ようにしましょう。また、バランスの良い食事をとり、睡眠環境を整えることも大切です。
 次に、暑さに対する工夫をしましょう。屋外では日傘や帽子を使用し日陰を選んで歩くなど、強い日ざしを避け、屋内でもカーテンなどで日ざしを遮り、冷房を適切に使用してください。衣服は麻や綿など通気性の良い素材、下着には吸水性や速乾性に優れた素材がおすすめです。
 そして、特に暑さに注意が必要なシーンや場所での暑さ対策を意識して、こまめな水分補給など暑さから身を守る行動をとりましょう。喉が渇く前や暑い場所に行く前に水分を摂ることがポイントです。飲料は5℃〜15℃で体への吸収が良く、冷却効果が大きいとされています。起床時、食事や休憩、入浴前後、就寝前などタイミングでコップ1杯程度の水分を摂ると良いでしょう。室内でも空気が乾燥しやすい場合は、気がつかないうちに脱水状態になっていることがあるため油断は禁物です。また、大量に汗をかいたら適度に塩分も補給しましょう。塩分や糖分を一緒に補給できるスポーツドリンク、塩分を含んだ飴や梅干しなども良さそうです。
 屋外で長時間にわたり作業するような職業に従事している方は、夏場は常に熱中症の危険にさらされています。作業上の都合で通気性の悪い衣服や保護具を着用する場合は、こまめに休憩をとり、体を適度に冷やせるグッズを使用して、水分や塩分を定期的に補給しましょう。
 例年、梅雨明け後は、体が暑さに慣れていない時期に急に暑くなるため、熱中症が多発する傾向があり、熱中症による救急搬送者数が急増します。今年も、梅雨明け後は全国的に厳しい暑さとなる見込みで、熱中症のリスクが高まります。夏休みは、屋外のレジャーやイベントなど、炎天下で過ごすことが多くなります。自分がいる環境の熱中症の危険度を知り、適切な予防対策を行うことが大切です。
(寄稿 執筆者 日本気象協会所属 気象予報士/防災士/熱中症予防指導員 久保智子)

執筆者プロフィール

日本気象協会 久保智子さん

日本気象協会 久保智子さん