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■建設業の会社法対応=第1回=

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建設業法は、建設工事の適正な施工確保と建設業の健全な発展に資することを目的として昭和24年に公布・施行され、時代の変化に応じて多くの改正を重ね、現在に至っています。
主な内容は、建設業の許可(一般建設業許可、特定建設業許可)、請負契約の適正化、施工技術の確保、経営事項審査、監督、その他であり、建設業を営む者にとっては、いわば憲法のようなものといえます。

建設業を営むには、建設業の許可を取得しなければなりませんが、取得のための要件が決められています。具体的には、
@経営業務管理責任者がいること
A専任の技術者がいること
B請負契約に関して誠実性のあること
C財産的基礎又は金銭的信用があること
D一定の欠格要件に該当しないこと 
の5つの要件をクリアしなければなりません。

このうち、上記Cの「財産的基礎」とは、自己資本額などの財務基盤のことで、「金銭的信用」とは資金調達能力のことになります。一般建設業の場合は、「財産的基礎」がなくても「金銭的信用」があれば足りるとされています。
さらに、一般と特定の建設業許可に分けて「財産的基礎又は金銭的信用」の内容について具体的に見てみます。
【一般建設業】以下のいずれかに該当すること
・自己資本額が500万円以上であること
・500万円以上の資金を調達する能力があること
・許可更新の場合は、更新申請の直前5年間、許可を受けて継続して建設業を営業した実績があること
【特定建設業】以下のすべてに該当すること
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

上記のように建設業法における建設業許可の取得要件、特に「財産的基礎又は金銭的信用」には、何ら変更はありませんので、会社法の施行により最低資本金制度が撤廃されたといっても、従来どおり、建設業許可の種別に応じて相応の資本金や自己資本額等が必要とされることになります。

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褐嚼ン経営サービス