建通新聞社

建設ニュース、入札情報の建通新聞。[建設専門紙]

社員のやる気を2.2倍にアップする3つの法則 第1回 21世紀に求められる『モチベーション(やる気)2.5』

いいね ツイート
0

 この度の東日本大震災に際し、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 1000年に1回とも言われる大きな被害に対して、「がんばれ日本!」「チーム日本」などの掛け声のもとに、多くの方々が立ち上がろうとしています。被災された方は、人間としての最低限の衣食住や生命の安全が脅かされ、今はまさに、失われたものを取り戻そうと生きる意欲(モチベーション)を高めようとしているところだと推察されます。
 ただ、モチベーション論の観点から心配なことは、非常事態が中長期に及ぶ場合は、将来に希望や期待が持てないと人間は頑張れないということです。
 ですから、行政等は当面の状況に対応することに全力を尽くすとともに、できるだけ早く「将来に希望が持てる復興ビジョンとプラン」を国民に提示する必要があります。人間は、どんな状況に置かれても、希望があれば踏ん張れるはずです。

 さて、この連載は全9回を予定しています。第1回〜第3回が導入部で、第4回〜第9回は、皆様の職場で実際に役に立つモチベーションアップ法のエッセンスを紹介することにしています。
 アメリカのベストセラー作家であるダニエル・ピンクの最新作「DRIVE」(日本語タイトルは「モチベーション3.0」)では新しいモチベーションのあり方を「モチベーション3.0」として紹介しています。
 コンピューター同様に、人間社会にも人を動機づける、WINDOWSのような基本ソフト(OS)があります。

〈モチベーション1.0〉…生存を目的としていた人類最初のモチベーションOS

〈モチベーション2.0〉…アメとムチ(信賞必罰)に基づき外部から働きかけるモチベーションOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥りつつある。

〈モチベーション3.0〉…自分の内面から湧き出る「やる気」に基づくOS。活力ある社会や組織をつくるための新しいOS。

 モチベーションのレベルは、人類の進歩とともに、1.0 →2.0 → 3.0とバージョンアップしてきており、現在はまさに「モチベーション3.0」の時代であるとしています。
 しかし、日本で現実にビジネスをする上には、「モチベーション3.0」はまだ早く、「モチベーション3.0」と「モチベーション2.0」の中間の「モチベーション2.5」が最も有効だろうと私は考えています。次回に、「モチベーション2.5」をご紹介します。

執筆者プロフィール

坂口慎一 株式会社エンデバーコンサルティング、特定社会保険労務士、中小企業診断士