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社員のやる気を2.2倍にアップする3つの法則 第3回 社員のモチベーションアップに取り組むための基本姿勢

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 今回は、「社員のモチベーションアップに取り組むための基本姿勢」について取り上げます。次回以降に取り上げる具体的なモチベーションアップの法則を行おうとしても、この基本姿勢ができていなければ効果はでません。社員には、小手先のテクニックを使った「操作主義」であると見抜かれてしまいます。逆に、この基本姿勢さえ備わっていれば、テクニックは不要であるとも言えます。
 では、「社員のモチベーションアップに取り組むための基本姿勢」について、3つに絞って解説していきましょう。

@社員に対して、悪いレッテルを貼らないこと。マイナスの先入観を持たないこと。
 「ピグマリオン効果」という言葉をご存じでしょうか? ギリシャ神話に由来を持つ言葉ですが、簡単に言うと、「必ず実現すると強く信じ続けると、本当に叶う」という効果です。心理学でも効果が実証されています。
 一例を挙げれば、優秀で仕事にできる社員だと思って、その社員に接していると本当に優秀な社員に育ち、できの悪い困った社員だと思って、その社員に接していると本当にできの悪い社員になるということです。
 社員にマイナスの感情を持ったらそれに囚われず、その社員と接している瞬間だけは努力して、少なくとも「プラスマイナスゼロの感情」を持つようにすることが大切です。

A社員の話に心を傾けて聴くこと。傾聴を心掛けること。
 コミュニケーションをよくすることは、相手のモチベーションを上げることにつながります。相手に話を聴くことがコミュニケーションをよくするコツです。話上手といわれる人は、人の話をよく聴く人でもあります。
 社員の話が要領を得なくてイライラしても、露骨に遮らずに1分間は社員の目を見て頷きながら話を聴いてあげましょう。人は話を聴いてもらえると心を開くものです。こちらから一方的に熱く語っても、社員は本音では心を閉ざしています。
 社員が話し掛けてきたら、まずはちゃんと聞いてあげることがモチベーションアップの土台作りにつながります。

B社員ごとに個性がありそれぞれのモチベーションアップ方法は異なると理解すること。
 すべての人間が同じモチベーション体系で動いているわけでないのです。それぞれの社員ごとの性格、置かれた環境、成長ステージなどによって、有効なモチベーションアップ方法は異なるため、すべての社員によく効く「モチベーションアップ万能薬」は存在しないのです。
 それぞれの社員をよく観察して、どのようにやる気を高めるべきか考える必要があるのです。さまざまな局面で、モチベーションアップに向けての二の手、三の手を出せるようになるためには、次回以降に紹介するモチベーションアップの法則などの定石を覚えていることが近道になります。

執筆者プロフィール

坂口慎一 株式会社エンデバーコンサルティング(特定社会保険労務士、中小企業診断士)   http://www.endeavour-consulting.com/