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建設業社会保険未加入問題 個別相談会の現場から 第1回 社会保険未加入問題で個別相談が必要なわけ

 平成24年度より5ヵ年計画で始まった建設業の社会保険未加入問題も、早いものですでに折り返しを迎えました。この間、各所で関連セミナーが開催されており、また建設企業ごとが行う安全大会でも、未加入問題は頻繁(ひんぱん)にテーマに上っておりますので、弊社もそのような場での講師としてのご依頼を数多く頂戴しております。
 
 ただ、企業として本問題の解決を図ろうとする時、多数向けの説明会に参加しただけでは充分とはならないことがほとんどです。その理由は、未加入問題が各企業にとって「共通の部分」と「個別的な部分」の二つの側面を持つからです。

 前者は例えば、「法人は社長一人でも加入義務がある」、「未加入企業は2年間遡及して保険料が徴収される可能性がある」などといった、いずれの企業にも当てはまる部分です。

 一方の後者というのは各企業が抱える事情であり、まさに千差万別です。

・社長も含めた社内の年齢構成が若い企業、逆に高齢の企業
・社内にこれまで年金を全く支払った事がない方がいる企業
・市町村国保以外に、建設業国保に入っている方が混在している企業
・息子に代表を譲る事も考えていた矢先に、この問題が起こった企業
・社員は1、2名だけで、その他は全て外注にしている企業、また今後そうしようかと考えている企業
・保険加入するに至って、役員報酬や従業員給与の引下げ・引上げを検討している企業
・専ら下請として現場に入る企業、時には元請となり下請に仕事を出す事もある企業
・社会保険加入に関して従業員からの反発を受けた、逆に加入したいと言われた企業
・年金事務所や現場から加入を促されている企業と、まだそのような話は出ていない企業

 ここに挙げたのはほんの一例であり、一口に未加入問題と言っても、それぞれが抱える事情に一つとして同じものはありません。よって企業は、先に述べた「個別的な部分」である自社の実情を踏まえた検討が必要であり、そのために多数向けの説明会とは別に、個別相談のニーズがあるのだと思います。

 これからの連載では、弊社がこれまで延べ350社以上から個別相談を受け、様々な現場の声に触れてきた経験を基に、そこから見えてきたことを社会保険労務士の視点から取り上げていきます。

執筆者プロフィール

社会保険労務士法人エール  社会保険労務士 加藤大輔

加藤大輔
社会保険労務士法人エール  社会保険労務士
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