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「お金のブロックパズル」で生産性向上!
第1回 今後の建設業に必要なもの 〜会社のお金の流れを「見える化」できていますか?〜

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 最近は人手不足の悩みも大きいですが、会社の売り上げや利益といった数字の悩みがなくなることはありません。経営者として、売り上げや利益が気になるのは至極当然です。しかし、数字や決算書を読むことは経営者の仕事のごく一部でしかありません。極端な話ですが、決算書は読めなくてもかまいません。経営者の最大の仕事は、正しい経営判断をして、夢や思いを形にすることです。

 とはいえ、お金の流れを理解できた方が良いのは言うまでもありません。そこで、社長にやっていただきたいことは一つだけ。これからご紹介する図を手順通り描くことです。描くだけで自社のお金の構造がすぐにわかり、「いかに利益をあげるか」を自分で考えられるようになります。会社のお金と上手に付き合っていくためには、ざっくりでもいいからお金の流れの全体像をビジュアルで理解することが大切です。まずはお金の流れの全体図をご覧ください。この図は「お金のブロックパズル」と言って、西順一郎先生のSTRAC表をもとに、一般社団法人キャッシュフローコーチ協会の代表である和仁達也先生がわかりやすくしたものです。

 この図が描けると、さまざまな形で活用できます。例えば、新たに人を雇用したいと思ったとします。給与400万円、それ以外にも社会保険料、研修費なども必要になるので、当然ながら売り上げが400万円上がるだけでは赤字です。では、いくらの売り上げが必要か?という計算が、ざっくりとでも瞬時に頭の中でできたらいいなと思いませんか?

 例えば、新年度の売り上げ目標を決めるとき、多くの経営者の方は、前年比10%アップ!(過去対比)とか、あの会社よりも5%多く!(他者対比)とかで決めています。目標が無いよりは全然良いのですが、きちんと根拠があって、社員にとって説得力のある目標が立てられたら、社員一丸となって目標につき進んでいけると思いませんか?こういった「経営判断に使える数字」を経営者がタイムリーに把握し、意思決定の判断基準や根拠にすることで、お金の不安を解消し、より本業に集中できるのです。

 次回は「お金のブロックパズル」の中身をご説明していきます。

執筆者プロフィール

行政書士法人Co−Labo代表 建設関係許認可を専門とするガテン系行政書士/建設業成長パートナー 小林 裕門(こばやし ひろと)

小林 裕門(こばやし ひろと)
行政書士法人Co−Labo代表 建設関係許認可を専門とするガテン系行政書士/建設業成長パートナー
都内の行政書士事務所勤務を経て、2007年、26歳のときに独立開業。 建設関係の許認可手続きを専門とし、公共工事受注コンサルティングも展開。 人あたりの良さと軽快なフットワークから、お客様の良き相談相手となっており、 年間の関与先は500を超え、建設不動産業界に精通した若手行政書士の1人として定評がある。同業者からの信頼も厚く、09年、史上最年少で東京都行政書士会建設宅建部員に就任し、現在5期目。事務所開設丸2年での就任は極めて異例と評される。『建設業者さんに「安心」と「安全」を提供し、120%現場に集中できる環境づくり』をミッションとしている。