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「お金のブロックパズル」で生産性向上!
第4回 一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために

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 前回は、「社員一丸となって同じ目標を目指す環境を整える」ためにすべきこととして、お金のブロックパズルを用いた根拠のある売上目標・利益目標の立て方についてお伝えしました。実は、お金のブロックパズルは、個人の家計に置き換えても効果を発揮します。

 売上を給料に、粗利を手取りに、固定費を生活費に、人件費を日常生活費に、その他固定費を娯楽生活費に、利益を貯金に置き換えてみると、あら不思議!家計のブロックパズルのできあがりです。ぜひご自身の給料と生活費で試してみてください。

 さて、本題ですが、「社員一丸となって同じ目標を目指す環境を整える」ためにすべきことの2つめは、根拠のある売上目標・利益目標とお金のブロックパズルを社内で共有して、社員に会社の数字を「自分ごと」として理解してもらうことです。

 例えば、「売上を上げよう!」と言うと、営業だけが頑張ればよく、それ以外の部署は関係ないという雰囲気になりがちです。しかし、売上を分解して考えると、客数×客単価×リピート率から成り立っています。確かに客数を増やすのは営業の仕事かもしれません。しかし、より高価格帯の商品やサービスを考案したり関連商品を一緒に買ってもらいやすくしたりするのは商品開発の仕事です。また、リピート率を増やすために、施工後半年や1年でのフォローアップの仕組みをきちんと整備するのも有効でしょう。これは管理部門の仕事です。
 
 このように、【売上】アップ(細分化して、客数アップ、客単価アップ、リピート率アップ)のためにそれぞれの部署、個々人で何ができるのか?【変動費】を減らすために現場監督は何ができるのか?間接部門である総務や経理でも【その他の固定費】を減らすためになにができるのか?売上よりも利益が大切であることをお金のブロックパズルを使って社内で共有することで、全体の目標のためにそれぞれが自分にできることはなにかを考え行動することができるようになります。
 
 こういったことを新年度が始まる前に社員と共有しておきます。そして1年後、その目標を達成して予定していた利益を確保できるのであれば、【人件費】すなわち決算前賞与として社員に利益の一部を還元するのです。「自分にできることを頑張って取り組む→会社に利益が残る→自分のお給料が増える」ということがお金の流れとして理解できると、社員が自主的に行動するモチベーションに繋がります。
 
 1社でも多くの建設業者さんと、そこで働くスタッフの皆さんが「お金ブロックパズル」を活用することで、漠然としたお金の不安・悩みから解放されて、今以上に本業に集中できるようになることを願っています。

執筆者プロフィール

行政書士法人Co−Labo代表 建設関係許認可を専門とするガテン系行政書士/建設業成長パートナー 小林 裕門(こばやし ひろと)

小林 裕門(こばやし ひろと)
行政書士法人Co−Labo代表 建設関係許認可を専門とするガテン系行政書士/建設業成長パートナー
都内の行政書士事務所勤務を経て、2007年、26歳のときに独立開業。 建設関係の許認可手続きを専門とし、公共工事受注コンサルティングも展開。 人あたりの良さと軽快なフットワークから、お客様の良き相談相手となっており、 年間の関与先は500を超え、建設不動産業界に精通した若手行政書士の1人として定評がある。同業者からの信頼も厚く、09年、史上最年少で東京都行政書士会建設宅建部員に就任し、現在5期目。事務所開設丸2年での就任は極めて異例と評される。『建設業者さんに「安心」と「安全」を提供し、120%現場に集中できる環境づくり』をミッションとしている。