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ZEBプランナー体験記
第1回 ZEBってなあに

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 クイーンのボーカルだったフレディ・マーキュリーの人生を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディー」が、2018年11月からロングランヒットしています。人の記憶に残る景色・映画・音楽などは、体感することで心に刻まれます。

 私がZEBに取組みたいと思ったきっかけは、あるZEB建物を見学したときに「空気の違い」をはっきりと感じたからです。それはまるで、沢蟹がいる川、木漏れ日がさす森の中にいるような心地よさでした。こんなにもZEBの建物は気持ちいいのものなのか、一般の建築物とどこが違うのか?違いを知りたいと思った事からでした。

 これから8回にわたりお送りする「ZEBプランナー体験記」は、自分が実際にZEBに触れていく中で感じたことをお伝えし、一つでも多くの建築物がZEBになる一助となればとの想いからです。

 さてZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:呼称ゼブ)」とは、高性能な窓、ガラス、断熱材を使用し、省エネルギー性能の高い設備機器(エアコン・給湯・換気・水栓・照明)などを導入することで、まずは建築物全体を省エネ化します。その上で、太陽光発電などで創り出すエネルギーを取り入れ、使用するエネルギーと、創り出すエネルギーとで収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

 夏涼しく、冬暖かい室内環境を実現しながら、建物に集う方々が気持ちいいと感じる。そんな建物って「カッコいい」―そう思いませんか。

 ZEBには3段階の基準があり、まず50%以上の省エネを実現した「ZEB Ready」、これに創エネを加えて75%以上の省エネを実現した「Nearly  ZEB」、そして100%以上の省エネを実現した「ZEB」です。

 地球温暖化防止対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成を目指す日本政府は、建築物のZEB化をエネルギー政策として、補助事業、認定制度、登録制度を設けて推進。 国は、20年までに新築公共建築物などで、30年までに新築建築物の平均でZEB化することを目指しています。

執筆者プロフィール

株式会社イエタス(千代田区) 営業本部 部長 西山 博(にしやま ひろし)

西山 博(にしやま ひろし)
株式会社イエタス(千代田区) 営業本部 部長
建築建材商社に13年間勤務した後、2007年から住宅性能評価(品確法)に特化した一級建築士事務所イエタスに勤務。主に、戸建て住宅の品質向上に努めてきた。当時住宅市場は「量」から「質」へと大きな転換期で、積極的に情報発信しながら、地域の工務店からの相談に数多く対応。 コンサルティング的な依頼も増えていく中、非住宅建築物の省エネルギーの届け出業務を行う非住宅部門を4年前に設立。4年間で省エネ届出の実績は1000棟を超える。2年前にZEBプランナーにも登録。11件のZEB案件に携わり、ZEBへの想いは熱い。現在、高層マンションのZEHにも取組んでおり、幅広く省エネに貢献出来きることを楽しんで毎日仕事をしている。 モットーは「住まう人の住宅、集う人の建築物の安心・安全・快適を実現する」を掲げ、みらいの子供たちの為に残せる住宅・建築物の省エネに貢献することを目指す。 株式会社イエタスホームページURL:http://yetus.co.jp/ お問い合わせ先 電話 03-3230-1215 ZEB担当者 まで