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きょうの『建設業法キーワード』P

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 建設業法第20条では、契約を締結する際の「見積もり」に関する事項を定めています。
 
 まず、建設業者(注文者)は、契約する工事内容に応じて、工事の種類ごとの材料費、労務費、そのほかの経費の内訳を明らかにしなければなりません。提供された情報が曖昧(あいまい)なものであれば、きちんとした見積もりができず、対等な契約を結ぶことが難しくなるからです。
 
 工事内容とは、請負契約書に記載することが義務付けられている事項(建設業法第19条)のうち請負金額以外のすべてであると解されます。
また、建設業者は請負契約を締結する前に、上記の工事内容を相手方に通知し、相手方が見積もりを行うまでに必要な期間を設けなければなりません。

 その具体的な期間は表の通りです。

 そのほかの下請負人を保護するための規定としては、「不当に低い請負代金の禁止」(同法第19条の3)や「不当な使用資材等の購入強制の禁止」(同法第19条の4)などがあります。また、「下請代金の支払いの期日に対する規定」(同法第24条の3)や「下請負人からの検査及び引渡しの依頼に応じるための期日」(同法第24条の4)も指定されています。
 
 これらの規定の中には、純粋に下請負人の保護のみを目的とした条文でないものもありますが、多くは経済的な基盤の弱い下請負人が不当な扱いを受けることのないようにするためのものといえます。

 なお、下請負人の保護を図るための取り組みとして、中央建設業審議会が「建設工事下請標準約款」を作成しています。また、公正取引委員会は「建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準」を公表しています。

執筆者プロフィール

全国建設関係行政書士協議会