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電子納品から始める建設IT 第7回 情報の活用とデータ作成時の留意点 (検索と情報管理)

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 今回からは「情報の活用とデータ作成時の留意点について」をテーマにしていきます。その中でITの基本となる、「検索」と「情報管理」についてクローズアップします。
情報利用の基本となるのは、まず「検索」です。インターネット上の無数の情報もこの検索を上手に活用しなければ、自分たちに有益な情報を得ることはできませんし、せっかくの情報を逃すことになります。

 私は情報というのは自分から探さなければならないものであると思っていますが、皆さんはどのように考えますでしょうか?
ニュースなどの情報は日々新聞や雑誌で知ることができますが、過去 (といっても2、3日前のものも含めて) の情報は、自分から能動的に探さなければ見つけることはできません。もちろん毎日ニュースにすべて目を通していれば問題ありませんが、昨今の情報化社会において、「すべての」というのは限界があると思います。ですから必要な時に必要な情報を「検索」する能力とそれらを集積した「情報を管理」する能力が必要となってきます。
 
 私たち建設業界においても、このことを意識しておかなければなりません。たとえば、私たちの仕事は発注者からの入札案件を探すところから始まります。今までは長年の付き合いで発注者からの情報提供を受け、入札に参加することもありましたが、最近では一般競争入札が非常に増え、誰でも入札に参加することができるようになり、自ら仕事を探さなければならなくなってきています。
 
 この時に必要なのが、情報の「検索」能力です。自らアクションを起こそうとした時には、溢れる情報の中から自分に適した情報を探すことになるので、この「検索」能力が、「良い仕事をとれるか否か」に直接かかってきます。
新聞記事やホームページをなんとなく見ているだけでは、余計な情報も沢山あり、必要な情報を得るために多くの時間を費やすことになってしまいます。もし検索が上手にできれば必要な情報だけ多く集められるのです。
では、検索を上手に行うにはどのような知識が必要になるのでしょうか?

 そのときに必要となるのが、「情報を管理」する能力になります。今までで言えば、「この新聞や雑誌を講読していれば、良い情報が見つかる」といって社内的に回覧したりしていたことと思います。これと同様にインターネット上の情報や個人が持っている情報を共有し、どこに必要な情報が保管されているかを管理することが重要となってきます。新聞や雑誌などは、現物として存在するものですので、書棚さえ決めておけば、そこに閲覧しに行って記事を読むことができるのに対し、ネット上の情報や、データなどは現物としては存在しないものなので、名称やキーワード、有益なサイトのアドレスなどの所在を明確にして管理しないと、探し出すことが、かえって難しい世の中になっているのです。
 
 情報が膨大に保管できるメリットが、ITのメリットでもありますが、膨大になった分、検索能力だけで対応しようとすると、能力の優劣に左右されがちになりますし、無限の情報からいつも探していては、再びすべての記事を読んで必要な情報を得ることになり、ITを活用していることにはなりません。
まずは、有益な情報の所在(たとえば、有益なホームページの活用や共有、データの保管場所の管理、有益なサービスの情報)を明確にしてから、その中の情報を検索することにより業務の効率化が図れれば、本来のIT活用となるのだと思います。


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(管理者 株式会社デバイスワークス 加賀屋太郎)

執筆者プロフィール

デバイスワークス代表取締役 加賀屋太郎