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▼「一式工事」とは?

建設業許可区分の28業種のうち、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事が「土木一式工事」、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事が「建築一式工事」です。
 一式という考え方は、「総合的な企画、指導、調整のもとに・・・・」という抽象的な表現で定義されていますが、具体的には、発注者との協議、施工計画の策定、周辺住民への説明、道路使用許可などの工事に付随する官公庁への許可・届出、主任、監理技術者の配置、工程管理、下請業者の施工調整・指導監督、安全管理、出来型品質管理、完成検査等の請け負った工事を完成させるためのマネージメントを伴うものとされています。このようなことから必然的に、元請工事となり、下請工事には該当しません。

 一般的に建築一式工事は、個人住宅やマンションの新築工事など身近なもので理解しやすいのですが、土木一式工事は馴染みが薄く、具体的には下記のようなものをさし、多くは公共工事に該当します。

 管渠工事、トンネル工事、油送工事、道路工事、宅地造成工事、送水・配水施設工事、護岸工事、堤防工事、海岸工事、防波堤工事、消波堤工事、離岸堤工事、ダム工事、貯水池・用水池建設工事、水路工事、かんがい排水工事、港湾工事、干拓工事、地下鉄工事、地下工作物工事、鉄道軌道工事、伏樋工事、橋梁工事、水源施設エ事、土木工作物の解体、除去工事

 また一式工事の許可を受けていても、専門工事を個別に請負う場合は、専門工事業の許可を受けなければなりません。例えば、建築一式工事の許可を有する業者が、リフォーム工事としてキッチンや浴室等の水廻りのリフォーム工事を、単独で500万円以上で請け負った場合、専門工事の管工事の許可を受ける必要があります。
 加えて、平成20年11月28日に建設業法改正が施行になり、一括下請けが概ね禁止になりましたので、一式工事業者が下請契約を結ぶ場合には注意しましょう。

執筆者プロフィール

全国建設関係行政書士協議会