両知事「国による関与を」リニア静岡工区
2019/9/6 中部
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両者が納得して同じ方向を見るのはいつになるのだろうか
愛知県の大村秀章知事は9月5日、リニア中央新幹線の計画沿線都府県で唯一本体工事に着手していない静岡工区に関して、静岡県の川勝平太知事を県公館に招き、見解などについて懇談の形で説明を受けた。懇談では、お互いの立場に理解は示しつつも、2027年度のリニア開業を間に合わせたい大村知事と、大井川などの水問題の技術的解決が先だとする川勝知事との溝は最後まで埋まらなかった。ただ、膠着した現状の打開に「国の関与が必要だ」とする考えは両者で一致。今後の国の動きに注目が集まる。
リニア中央新幹線の南アルプスでのトンネル工事は毎秒2dもの水が湧き出すことが分かっており、静岡県は、JR東海が示す技術的対応が不十分として、県内での本体工事の着手を認めていない。計画沿線の都府県で唯一本体工事に着手していない県となっている。
懇談後の会見で川勝知事は「何度も言うが私はリニア推進派だ」と強調。その上で、「南アルプスは静岡の水瓶であり、ユネスコ、ジオパークにも認定されている。リニア工事と、大井川、南アルプスの水、環境問題を両立するようにお願いしたい」と理解を求めつつ、「環境アセスの段階でJR東海の社長が『湧き出る水の全量を戻す』と約束したのに、最近になって別の方が約束を違えることを言った。不誠実で嘘つき」とJR東海の対応を強く批難し、あらためて不快感をあらわにした。
併せて、大村知事に対しては「こうした不測の事態が起きた今、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会の会長として『全体計画を見直すべきだ』と広く知らしめる時ではないか」とも促した。
大村知事は「最後まで噛み合うことはなかった。まずは静岡県とJR東海の両者が科学的根拠をつき合わせて議論すること。その上で補償も含め国がしっかりコミットしていくことが必要だ」「リニアは東京、名古屋間を40分で結び巨大な経済圏域ができあがる。環境問題は私なりに考えているが、リニアは国家プロジェクト。できるだけ早期に静岡工区が着工することを望む」などの考えを示したが、当面同工区の本体着工に目処はつきそうにない。
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