愛知県 本庁舎屋根改修工事 第2Q発注
2021/5/26 中部
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愛知県庁 西側から望む
愛知県総務局は、本庁舎屋根の改修工事を2021年度から4カ年度を掛けて工事を実施する。工事発注は建築局に委任し、第2四半期にも総合評価方式を適用し、一般競争入札で発注する。議会承認後に準備工事に入り、22年度から本格的な工事に着手する計画だ。事業費は、21年度当初予算案に工事費492万円(監理費含む)、債務負担行為で9億6099万円の限度額を設定した。
本庁舎は、頂部に城郭風の屋根を乗せた特異な意匠(帝冠様式)で建設された。銅板葺きの屋根部の老朽化が著しく銅片が落下したこともあり、改修事業の調査・設計を文化財建造物保存技術協会(東京都荒川区)で進めていた。屋根は回廊型の四方の棟のうち三方にあり、西側(正門側)の屋根が最も大きく、約30b×約20b。北・南側の棟の屋根がそれぞれ約25b×約10b。屋根形状が傾斜しており、屋根面積はより広くなる。正門の車寄せの屋根の周辺も銅板葺きになっているが、老朽度から判断し、今回の改修対象から外した。
修理工事は、鋼板屋根の全面葺き替えを行う。工程は仮の屋根を設置した上で、銅板の屋根の他、下地、樋、屋根回りの傷んだ箇所のやり換えを行う。国の重要文化財の指定施設であるため、改修では外観などの復元が条件となっており、当時の施工図に沿った形で施工する。全体工程は、西、南、北棟別に工区を分けて、棟周辺の駐車場に大型クレーンを設置して順番に施工する予定。屋根部は現在、青緑色のサビ(緑青)で覆われているが,葺き替え後は銅色になる。工期は約40カ月。
本庁舎は1938年に完成。鉄骨鉄筋コンクリート造地上6階地下1階塔屋1。延べ面積2万8314平方b。建築面積4666平方b。高さ39・7b。なお、05年度から庁舎免震工事で地下部は撤去した。所在地は名古屋市中区三の丸3ノ1ノ2。
建物は意匠的に優秀で歴史的価値が高いとされ、14年に国の重要文化財の指定を受けた。その後、18年7月に屋根部材の銅板や木製板が相次いで落下。同年9月には台風21号の影響で再び屋根の銅片が落下したため、ネット設置による緊急補修・落下防止策を講じ、現在に至っている。
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