「30%ルール」慎んで 自治体に要請
2022/4/1
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国土交通省は4月1日の新年度のスタートに合わせ、公共工事の円滑な施工確保に取り組むよう、都道府県と政令市に通知した。技術的な助言として、設計変更の適切な実施や建設発生土の条件明示、除雪経費の適切な計上を要請。設計変更の適切な実施では、請負金額が当初の30%を超えると設計変更を認めない、いわゆる「30%ルール」のような運用を厳に慎むことを求めた。
「30%ルール」について、一部の地方自治体では、30%を超す追加工事費が発生した場合、契約変更を認めず、受発注者間でトラブルになるケースもあるとされる。建設業団体との意見交換でも業界側からこうしたケースの改善を求める声が出ており、今回の通知では、一定の割合を超えたことのみを持って設計変更に応じないことを厳に慎むよう、自治体に要請した。「30%ルール」は設計変更の上限額に関する規定だが、法的根拠はない。
建設発生土については、昨夏の静岡県熱海市での土石流災害で、建設発生土の不適切な処分が災害の要因と疑われていることを踏まえ、建設工事の設計図書で条件を明示するよう助言。明示した条件に対して費用を計上することで、可能なかぎり、同一現場内で建設発生土を活用し、発生抑制に努めることも求めた。工事間での有効利用も進める。
設計図書に明示する条件は▽工事での建設発生土の有無▽同一現場での利活用に必要な情報(流用土の使用を明示)▽受け入れ場所(工事間利用の受け入れ工事箇所、仮置き場、土砂処分場)▽受け入れ場所までの距離、時間―。これらに対して直轄工事では、運搬費や処分費の計上を認めている。
除雪経費については、直轄工事で行っている、道路除雪工での待機費用の計上や、小雪時に固定的経費を計上する試行を参考にするよう助言。特に地域の建設業では従業員の高齢化などで除雪体制の維持が難しくなっており、待機費用などを認めることにより、持続的な体制を確保する。
ダンピング対策では、低入札価格調査での事務負担を考慮し、最低制限価格制度の活用を促すとともに、調査基準価格の算定式を最新の中央公契連モデルに見直すよう要請した。
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