市区町村の取組拡大を 週休2日工事
2023/1/16
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時間外労働の罰則付き上限規制が建設業にも適用される2024年4月が迫っている。法の規制に対応すると同時に、将来の建設業の担い手を確保していく上で、4週8閉所を基本とする現場での週休2日の重要性がますます高まっている。鍵となるのは、民間工事ともに市区町村の工事での週休2日の拡大だ。
日建連の「週休二日実現行動計画」の22年度上半期のフォローアップ調査では、会員企業の現場での4週8閉所に関して、官民の工事での格差が際立った。
公共工事を中心とする土木工事での4週8閉所の割合は、前年同期と比べ7・8ポイント増えて57・2%と半数を越えた。一方、民間工事を主体とする建築は、1・7ポイント増の34・3%にとどまり、土木と比べ22・9ポイントの開きが生じている。
また、公共工事においても、国や都道府県、政令指定都市と比べ、市区町村で週休2日への対応が遅れている。
国土交通省と総務省、財務省が毎年行っている、入札契約適正化法に基づく実態調査(21年10月1日時点)によると、適正工期の確保当たって、全ての都道府県と政令指定都市は「公共工事に従事する者の休日(週休2日に加え、祝日、年末年始および夏季休暇)」を考慮していた。ところが、同様に休日を考慮している市区町村は44・0%と半数を割り込み、前年と比べても、わずか1・8ポイントしか増えていなかった。
市区町村では、週休2日モデル工事の実施も低調だ。同じ調査で、モデル工事を実施していると回答したのは、東京都内では62市区町村のうち2区1市1村の4団体だけだった。大阪府内でも、43市町村のうち、2政令市を含む4市1町の5団体にとどまった。取り組みが極めて低水準だと言わざるを得ない。
市区町村で低調な週休2日工事の実施は、地域建設業の現場での4週8休の導入の遅れにつながっている。全国建設業協会が会員企業を対象に行った働き方改革に関する調査では、22年7月1日現在、「おおむね4週8休」とした会員の割合は22・1%と少なかった。
一方、日建連は、週休二日実現行動計画のフォローアップで、22年度上半期は初めて現場の社員の休日取得についても調べた。その結果、約8割の社員が4週8休以上で、現場が稼働している場合でも、交代で休んでいる現状が分かった。
日建連では、社員レベルの4週8休とは別に、下請けの技能者の4週8休の確保や、社会に対する建設業のイメージアップのため、あくまで目標として24年度末の全現場での4週8閉所を目指すとしている。生産性向上とともに、工期に関する発注者の理解の形成などに努める方針だ。
少子・高齢化が進み、産業間での人材獲得競争はますます厳しくなっている。また、自然災害の激甚化やインフラの老朽化を背景に、地域における建設業の役割はますます重要性を増している。
地域の安全・安心を守る最前線にある地方自治体は、パートナーである建設業の担い手確保に向けて、週休2日工事の積極的な導入や工期の適正化・平準化など、就労環境改善により真剣に向き合うべきだ。
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