大阪ガス ガスビルリノベなど「平野町四丁目地区」計画概要
2023/2/8 大阪
いいね | ツイート | |||
0 |
完成イメージ
【大阪】大阪ガスと大阪ガス都市開発は、大阪ガスビルディング(ガスビル)のリノベーションとガスビル西側にある社有地(西用地)における複合ビル(ガスビル西館)開発の「平野町四丁目地区」計画案をまとめた。同計画に係る都市計画案が大阪府の都市計画審議会で都市再生特別地区として審議・可決され、都市計画決定されることを受け、計画概要を明らかにした。
同計画案によると、都市再生特別地区制度により、ガスビル敷地と西用地との間にある市道(御霊筋)の道路上空を活用し、両敷地を一体的に利用する。また、歴史的建築物であるガスビルの保存を中心とした都市再生への貢献による容積率の緩和(約1200%)を受け、敷地全体の高度利用を図る。
リノベーションするガスビルは鉄骨鉄筋コンクリート造8階建て(現況の延べ床面積は約4万6122平方b)、新築するガスビル西館は鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)33階建てで、両施設合計の延べ床面積は約13万6000平方b、高さ約150bとなる。ガスビル西館の新築を先行し、完成後にガスビルのリノベーションに着手する。ガスビル西館は2027年ごろ、ガスビルは31年ごろの竣工を目指す。計画地は大阪市中央区平野町4ノ1ノ2で、敷地面積は約1万0370平方b。
ガスビルは、南館(1933年竣工・登録有形文化財)と北館(66年竣工)で構成し、両館一体となった特徴的な外観が御堂筋のランドマークとなっていることから、リノベーションに際しては、東側・北側・南側の3面すべてと西側の一部(外観全体面積の約85%)の外観を保存する。また、竣工当時の趣を残す玄関やエレベーターホールなど建物全体の床面積の約85%を保存、活用する。耐震性向上のため一部を減築し、アトリウム空間として再生する他、ガスビルの御堂筋側に新たなメインエントランスを設け、ガスビル西館までつながる人の流れとにぎわいの創出を図る。ガスビルは、現在の自社オフィス用途から用途拡大し、にぎわい施設や歴史的建築物の趣を残したオフィスとして整備する。
また、ガスビル・ガスビル西館および道路上空利用部の3階に、ワンフロアでつながるイノベーション拠点を整備する。ガスビルにはコワーキングスペースやシェアオフィスなど、ガスビル西館には多目的大ホールを整備し、利用者の動線が交わる道路上空利用部分にイノベーションスクエアを整備する。
レジリエンスへの取り組みとしては、耐震性の高い中圧導管でガスを供給することで災害時にも電力・熱の供給継続を可能とする。ガスビル西館は上町断層帯地震や南海トラフ地震(震度7クラス)を想定した耐震強度を確保し、Daigasグループの災害対策機能強化とともに、ビル全体のレジリエンスも強化する。近隣施設にも、平常時は空調用の熱を融通し、災害時には電力を融通することを検討し、周辺エリアでのエネルギー高度利用およびレジリエンス強化を目指す。
環境への取り組みとしては、ガスコージェネレーションシステムを採用する他、太陽光発電などの再生可能エネルギー設備の導入、非化石証書やカーボン・クレジットの活用などにより、ガスビルとガスビル西館を合せたビル全体でのカーボンニュートラルの実現を目指す。
ガスビル南館は現存する重要なモダニズム建築物として2003年に国の登録有形文化財に登録。安井武夫氏が設計した。増築棟の北館は、現代的なデザインとして新旧の調和が図られている。佐野正一氏が設計した。南館、北館ともに施工は大林組。
この年の大阪市の発注予定案件 | この年の大阪市予算情報 |
特集コーナー
このコーナーでは、入札情報関連の話題や建設業界注目の情報、工事ニュースなどを取り上げます。