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技能者の大量離職 働き方改革・生産性向上が正念場に

2023/4/24 

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高齢化した建設技能者の大量離職が本格化している。これに対応する、新規入職者の確保に向けた働き方改革や生産性向上で、建設業は正念場を迎えている。地域のインフラを維持し、防災力を確保していく上では、行政を含め社会が向き合うべき問題でもある。
 建設業退職金共済の退職金の支給件数と支給額は、減少傾向が2008年度以降続いたが、15年度から増加傾向に転じた。21年度の退職金の支給件数は前年度比13・2%増、支給額は15・3%増だった。高年齢者の離職を象徴するのが、長期就労者の退職の増加だ。支給額1000万円以上の高額支給が21年度は過去最高の29件だったが、22年度は1月の時点で31件と記録を更新した。戦後のベビーブームに生まれた団塊の世代が70歳代の半ばに差し掛かり、現場を去るケースが増加している状況をうかがわせる。
 総務省の労働力調査に基づき国土交通省が推計した21年度平均の建設技能者の数は、30歳未満が37万2000人で、技能者全体の12・0%にとどまる。一方、60歳以上は79万5000人で、全体の25・6%と約4分の1を占め、10年後には大半が引退すると見込まれる。
 少子高齢化は日本全体の問題だが、建設業では特に顕著だ。30歳未満労働者の割合は全産業では16・5%で、建設業はこれを4・5ポイント下回る。産業間の人材獲得競争が厳しさを増す中、建設業は既に劣勢にある。
 折しも時間外労働の上限規制が建設業にも適用される24年4月まで1年を切った。問題は法令順守だけでない。週休2日の導入をはじめとする長時間労働からの脱却は、ワーク・ライフ・バランスが社会常識として日本の社会に定着していく中、建設業の存続に関わる問題となっている。
 週休2日の実現に関しては、民間発注者の理解形成が大きな課題だが、市区町村の対応の遅れも問題だ。国土交通省などが、入札契約適正化法に基づく調査(22年10月1日時点)で、公共工事の工期設定での休日への考慮について聞いたところ、「考慮している」とした団体の割合は、国関係が73・7%、都道府県が97・9%だったのに対して、市区町村は48・1%にとどまった。
 地元の建設業と連携し、インフラを守り、災害に対応していく立場から、市区町村は、週休2日工事の拡大など、建設業の就労環境の改善に前向きに取り組むべきだ。
 少子高齢化に伴って加速する生産年齢人口の減少に対応していくためには、一定の新規入職者の確保とともに、ICT施工など建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入による生産性の向上も不可欠だ。
 さまざまなデジタル技術の活用やロボット開発が大手ゼネコンで進められている。一方、地域建設業からは、ICT施工は小規模工事ではコストに合わないといった声も聞こえてくる。
 これに対し、国交省関東地方整備局と埼玉県、さいたま市、埼玉県建設業協会は、ICT活用の裾野を広げるため協議会を21年1月に設置。実際の工事での検証結果に基づき「小規模工事ICT施工活用の手引き(案)」を関東地整のホームぺージで公開している。
 いまこそ既成概念にとらわれない対応が急務だ。

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