インタビュー 関谷幸男氏(せきや・ゆきお=四電工社長)
2023/6/23
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関谷幸男氏
設立60周年を迎えた四電工(高松市)。1963年に送電・配電工事会社として発足して以来、社会の需要に合わせて業務を拡充し今では建築設備工事なども手掛ける総合設備企業となった。将来を見据え、総合設備企業のノウハウを生かしたZEBの展開や首都圏への進出などに組む姿勢を打ち出す関谷幸男社長に次の70周年、100周年に向けた事業展開を聞いた。
―60周年を迎えるまでには大きな変革期があったと思います。
「石油危機、リーマンショック、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症流行など多くの危機があり、建設業界にとっても浮き沈みがあった60年間だった。しかし、発注者や協力企業、先輩たちなど周りの皆さんのおかげでここまで来られたと心から感謝している。この大きな節目に社長を務めることの責任の重さを改めて感じている」
―会社の現状と、将来に向けた投資について聞かせてください。
「当社は設立時から電柱、鉄塔の新設と保守をなりわいとしてきたが、いまでは売上比率で言うと4対6くらいで建築設備工事のほうが多くなっている」
「将来に向けては、市場のパイを求めて首都圏、関西圏への進出を強化しつつ、四国内でも環境投資の波に乗ることで、総合設備企業として電気だけでなく空調・管工事を合わせて提案したい」
―これから成長の柱とする分野は何でしょうか。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を将来にわたる強みの一つにしていこうと考えている。まずは当社の出先事務所などを建て替える際にZEBを取り入れて、自社の施設で普段使いをして快適さや利便性を理解し、顧客への提案ができるようにしていく」
「また、3次元設計が簡単にできるソフトCADEWA(キャデワ)を他社と共同開発し発売している。建設業の生産性向上や業務効率化につながる製品で、ぜひ業界に広く使ってもらえるようこれからも磨いていきたい」
―首都圏や関西圏への進出について戦略を伺います。
「再開発案件など大規模な案件を請け負うためにも、M&Aで現地の施工企業とタッグを組みたい。当社の強みである電気設備工事と、M&A先の管空調工事の技術力を合わせて総合的な施工能力を伸ばしていく。東京での人材採用も増やしつつ、出先機関≠ナはなく名実ともに四電工の東京本部≠ニしていくことで伸び代を作っていこうと考えている」
―60周年を機に企業理念を再定義したそうですね。
「進化する総合設備企業として人と社会と未来をつなぎます≠四電工の存在意義として定めた。設備企業として、多様な空間で電気などをつなぎベストな環境を作り暮らしを豊かにするという目標を新たにし、グループ全員で同じ方向を向いていく。会社を挙げて人を大切にして技術を磨き続けて、顧客の期待に応えることを目指していく」
「さらに、次の5カ年計画の目標は、M&Aをした企業と一緒に考えたいと思っている。『企業理念を合わせたい、一つにしたい』と口では言っていても、結局は一方だけで考えた理念の押し付けになって心棒が通っていないというのではだめだ」
「同じグループの会社として、中期経営指針を練り理念を考えるところから一緒に取り組んで同じ方向を向きつつ、それぞれの得意分野を生かす経営をしていきたい」(四国支社報道部=井上認)
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