「特定技能への円滑移行を」 技能実習見直しで論点
2023/8/1
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技能実習制度と特定技能制度の見直しに向けた政府の有識者会議が7月31日に開かれ、外国人労働者の監理・支援・保護の在り方や、日本語能力の向上方策をテーマに議論が交わされた。経団連の堀内保潔産業政策本部長は、技能実習に代わって新設する新たな外国人の受け入れ制度について、「スムーズに特定技能へ移行できるよう環境整備が必要」と指摘した。
技能実習制度を巡っては、失踪者が相次いでいる現状や、外国人の技能習得という制度の趣旨とずれのある実態を受けて、制度を見直すとの方向性が有識者会議で示されていた。今回の会議では、新制度の具体化に向けて、主な論点に沿って意見を交わした。
堀内氏は新制度について、技能水準が段階的に向上することが重要だとした上で、透明性を確保した評価基準、制度設計を求めた。また、現行制度では原則として認められていない転籍(実習先の変更)について、一定の要件の下、柔軟に認めるべきとした。
堀内氏はまた、日本語能力については、入国前の要件を厳しくしすぎると、実習先などとして外国人から選ばれなくなる恐れを指摘。入国後、在留の段階に応じて日本語能力を向上できる仕組みが必要だとした。特に、特定技能2号への移行に当たっては、永住権の対象となることから日本語要件の設定を検討すべきとした。
また、弁護士の市川正司氏は、特定技能1号・2号や、技能実習に代わる新制度を対象に、市町村に一元的な相談窓口を設けるなど、身近な自治体での相談体制の強化を求めた。
鈴木直道北海道知事は、道が行った関係者ヒアリングを踏まえ、入国時の審査の簡素化、負担軽減などを国に求めた。入国後の在留資格更新に当たっては、地方における手続きの簡素化が必要だとした。
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