キャッチアップ 活用広がるCBT試験
2023/11/24
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2023年度から、国家資格である電気主任技術者と電気工事士の試験で、コンピューターを使った試験方式(CBT)が導入された。背景にあるのは、深刻化する技術人材の不足だ。CBTを活用することで、試験会場を増やしたり、受験の時期を柔軟に選べるようにし、試験の機会を増やすことで人材確保につなげる狙いがある。
CBT方式を導入したのは、第三種電気主任技術者試験と、第一種・第二種の電気工事士試験のうち学科試験だ。この方式でも、マークシートに筆記する従来方式の試験と同様、会場に集合する必要があることは変わらない。CBT方式では、会場内に用意されたコンピューター端末を使って画面上で正答を選択することになる。
これらの試験を、働きながら受ける人も少なくない。これまでは、試験に応募はしたものの、仕事などの都合で受験できなくなり、半年から1年間にわたって次回の試験を待たなければならない例が一定数出ていたという。
そこで、資格を所管する経済産業省は、電気工事士法施行規則、電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格に関する省令をそれぞれ改正。CBT方式による試験を可能にしたことで、従来は特定の試験日にしか受験できなかったが、試験日程や試験会場を大幅に拡充できた。
例えば23年度の第三種電気主任技術者試験を見ると、筆記による試験は年2回、全国約60会場で開催している。これに対し、CBT方式では年2回、25日間のうち1日を選べるようになっている。さらに、全国約200会場で受験できるようにし、受験の機会を増やした。
経産省は今後、さらなる受験機会の拡充を検討。24年度から、第一種電気工事士試験のうちCBT方式で実施するものについて、現行では年1回の試験を2回に増やす考えだ。
こうした取り組みが進展したきっかけの一つは、コロナ禍だった。事業用の電気通信ネットワークの工事に関する電気通信主任技術者、工事担任者では、感染症の拡大を防止するため20年度の試験を一部、中止せざるを得なかった。これを受けて総務省は関係する省令を改正し、21年度からCBT方式を可能にした。建設コンサルタンツ協会が運営するシビルコンサルティングマネージャ(RCCM)も、コロナ禍を契機としてCBT方式を開始している。
この他、建設分野特定技能1号評価試験も、CBT方式により実技・学科試験を行っている。
広がりつつあるCBT方式の試験だが、課題もないわけではない。受験者がコンピューターの操作に習熟していなければ、本来の能力を発揮できないかもしれない。試験監督の方法をはじめ、不正防止の体制も新たに整備する必要がある。
とはいえ、建設分野の人材不足に出口は見えない。CBT方式の活用をはじめ、受験機会の確保に向けた取り組みは今後、さらに加速しそうだ。
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