PCaの評価手法確立へ 新たな試行要領案、定性的観点も
2024/3/4
いいね | ツイート | |||
0 |
国土交通省は、大型ボックスカルバートを対象に、プレキャストコンクリート(PCa)適用の可否を判断する評価手法を確立するため、定性的評価を加える形で試行要領案を見直した。これに伴い、配点の重み付けも変更。2024年度に過年度の設計業務と新規の設計業務で試行し、妥当性を確認する。試行結果を踏まえ、24年度末にも実施要領案を策定し、25年度からの本格運用を目指す。他の構造物へも順次適用を広げる。2月28日に開いた「コンクリート生産性向上検討協議会」の第13回会合で説明した。
新たな試行要領案では、これまでの「コスト(配点50点)」「定量的評価(50点)」の二つの項目に、「定性的評価(16点)」を加えた。併せて、配点の重みづけを変更。「コスト」を60点、「定量的評価」を24点に改めた。
定性的評価では基本的に、「省人化・省力化(工事書類の削減など)」「働き方改革寄与度(生産性向上の寄与度)」「安全性向上(高所作業の減少率など)」「出来形および出来ばえ(仕上がりなど)」の四つの評価項目を設定し、各4点を配点することとした=表参照。さらに、地域特性を踏まえた評価項目として、「施工性」「施工への影響」「維持・管理」「景観」も設け、現場に見合った最適な評価項目を選定できるようにもした。
試行対象となる設計業務は、地方整備局ごとに過年度分(外注・作成済み)で3〜4件、新規外注分で1〜2件を予定。現場打ちコンクリートを採用した案件にも新たな試行要領案を適用し、試算し直してみる。
試行後、実際の施工を担当した受発注者に対するフォローアップ調査も実施する。フォローアップの際は、各評価項目の妥当性や、現場打ちに対するPCaの費用倍率の妥当性の確認などに、特に留意することとした。
PCa製品の採用に当たって国交省はこれまで、現場打ちとの比較検討でコストだけを考慮し、最安となる形式・工法を選定してきた。今後は、生産性や安全性の向上といったコスト以外の観点を考慮したVfM(Value for Money)の考え方を取り入れた評価手法へ転換する。
直轄工事(20年度発注)では、小型構造物でPCa製品の使用率がほぼ100%に達する一方で、大型構造物への導入が課題になっていた。
この年の国土交通省の発注予定案件 | この年の国土交通省予算情報 |
国土交通省の公共事業ニュース
国土交通省の行政・建設経済ニュース
国土交通省の民間事業ニュース
|
国土交通省の入札公示情報
国土交通省の入札結果情報
|
特集コーナー
このコーナーでは、入札情報関連の話題や建設業界注目の情報、工事ニュースなどを取り上げます。