「免税事業者のまま取引」 専門工事業の約半数に
2024/5/24
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建設産業専門団体連合会(建専連、岩田正吾会長)がインボイス制度のスタートした2023年10月以降に行ったアンケート調査で、一人親方(免税事業者)との取引方針について聞いたところ、「免税事業者のまま取引を続ける」との回答が44・7%を占めた。前年度と比べると25・0ポイントの大幅増。消費税額を控除できる経過措置を活用することで、一人親方に課税事業者に転換してもらわずとも取引を継続していると見られる。
調査は、建専連の傘下団体の会員企業を対象に行った。回答した課税事業者の68・8%が免税事業者と取引を行っている。この割合は前年度と比べると22・6ポイントの大幅増となった。
インボイスとは、取引にかかる消費税額の内訳を示す「適格請求書」のこと。建設業の一人親方に多い免税事業者は、請け負う際にインボイスを発行することができず、取引先である元請け、上位下請けが消費税分の仕入れ控除を受けられない。
このため制度の開始前は、免税事業者が取引を避けたられたり、課税事業者への転換を迫られたりすることに対し、一人親方から懸念の声が上がっていた。しかし、今回の調査では、免税事業者との取引はむしろ増えている結果となった。
一人親方の免税事業者との取引方針についても、「課税事業者に転換してもらい取引を続ける」は24・2%にとどまり、前年度調査からは10・4ポイント減少。「免税事業者のまま取引を続ける」が44・7%で半数近くを占めた他、「社員として雇用する」も2・4%あった。
この結果について調査を主導した蟹澤宏剛芝浦工業大学教授は、免税事業者と取引のある専門工事業について、制度開始後3年間の経過措置である消費税額8割控除を活用しているものと分析。その後も3年間の5割控除があるが、制度の本格適用後には廃業を検討する高齢の一人親方も多いと見られ、特に「住宅業界には大きな影響が出るのではないか」と話した。
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