建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第9回「計画的な営業と実行力(3)」|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

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建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第9回「計画的な営業と実行力(3)」

営業担当者の立てた計画を実行レベルに展開するにあたっては、営業チ
ーム内において計画作成の助言や活動結果の確認などを通じて、相互に
啓発していくことが計画の実行力を上げていくことになる。
そして、営業管理職は日単位、少なくとも週単位で営業担当者の活動状況を確認し、計画どおり実行できない問題に対して指導を行わなければ
ならない。
6.計画的な営業と実行力(3)
(3)営業活動が計画倒れで終わる原因
前回と前々回の2回にわたって計画的な営業活動の重要性について解説
を行った。計画は実行されてはじめて有効となるが、実際に計画を立て
てもその通りに実効できる営業担当者は少ないようである。なぜ営業活
動が計画倒れで終わってしまうのだろうか。
営業担当者の活動が計画倒れで終わってしまう主な原因としては次の3
点が考えられる。
@もともとの計画に具体性がなく、計画が活動レベルに落ちない営業担
当者が立案する計画そのものが抽象的であり、5W1H(いつ、だれが何
を、どこで、何の目的で、どのように)が不明確なため、結果的に行き当たりばったりの営業活動となる。また、計画を作成することが目的化
し、営業担当者が義務感で計画を作成すると、その計画は現実の営業活
動とは乖離したものとなる。
A計画作成後は活動がもっぱら営業担当者任せとなっている
営業計画作成まではある程度の営業部門の組織的な関与(計画の承認)があるが、その後の営業活動は営業担当者任せとなっている。実際の営
業活動が計画通りに実行されているかどうかのプロセス管理が組織ので行われていないために計画・活動・実績の因果関係がつかめずに終わ
っている。
B顧客の都合に営業担当者が振り回され、思うような活動ができない
営業担当者が顧客からの呼び出し等に振り回され、立案した計画と実際の活動がバラバラになってしまう場合がある。営業担当者自身が顧客をコントロールできず、顧客の都合に振り回されてしまう。
(4)計画を具現化する実行力の上げ方
では、営業担当者が計画どおりに活動するためには、どのような点に気
をつけたらよいだろうか。
(T)計画作成および結果確認に営業チーム全員を参画させる
計画作成は基本的に個々人の策定作業となるが、チーム内でミーティン
グを行い、計画作成にあたっての助言などをチームメンバー相互に意見を出し合う。
計画には5W1Hを具体的に書き込み、営業管理職がチェックを行う。実際
の実行に際しては営業チーム内で週間ミーティングや朝のミーティング
時にお互いに確認し合い、計画が消化できない場合の対策などを相互に
検討する。また、月間ミーティングで、1ヶ月間の計画に対する活動結果と実績について数値をもって発表させ、計画通りの活動ができなかっ
た場合は次月への反省材料とする。
(U)営業管理職のプロセス管理
よく営業担当者から「営業活動計画を作成しても顧客の都合でなかなかその通りに訪問できない」と言う声を聞く。しかしながら、営業活動は
なるべく立てた計画を崩してはならない。自分の意図したとおりに訪問
計画を立てることができてはじめて受注計画が計画どおりに進行する。
営業管理職はこのように顧客に振り回されている営業担当者に対しては
顧客をコントロールするくらいの折衝力や人間関係構築を求めてほい。
そのためには、営業管理職は営業担当者の立てた計画がどのように進捗しているかを日単位もしくは少なくとも週単位で確認し、計画どおりに
活動できない問題があれば対処方法を指導・フォローアップしなければ
ならない。
営業活動が計画どおり実行できる体質が形成されるとチームとしての基準にもとづく有効営業活動が着実に実施されるようになるのである。

問い合わせ先
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
TEL 03(3950)1178 FAX 03(3952)0430
URL http://www.niccon.co.jp/kensetsu/
E-MAIL kensetsu@niccon.co.jp
ご質問にはお答えできない場合もございますのでご了承ください。

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執筆者プロフィール



株式会社日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所  副部長コンサルタント 酒井誠一
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