建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第12回「チーム内での問題解決」 建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第12回「チーム内での問題解決」 |建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

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建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第12回「チーム内での問題解決」 建設業の戦略営業−営業マネジメント編−  第12回「チーム内での問題解決」

営業チームの中で問題解決を進めていくには、メンバーの参画意識と
専門性をより高めていく必要がある。そのために営業管理職がリーダ
ーシップを発揮しながら、個人主義を廃し、チーム営業活動を通して
問題解決を図っていくことが受注目標達成の近道であることを共通認
識させることが鍵となる。


8.チーム内での問題解決

(1)メンバーの参画をどのように高めていくか
前回までは営業情報の共有化について解説させていただいたが、今回は
それを一歩進めて、受注獲得のためにいかにメンバー間で問題解決のた
めの参画を促していくかについて解説する。
貴社の営業部門では、会議の中でのメンバーの発言は積極的だろうか。
営業管理職からの一方的な伝達や指導で終始していないだろうか。営業
チームとして活性化された組織はメンバー相互間の発言が活発であり、
その発言に際しては上司・部下や先輩・後輩の隔てがない。
最近の建設営業の工事案件は、非常に高度かつ難しい内容のものが増え
てきている。このような状況の中で一人の営業担当者が一気通貫で工事
案件をまとめることは極めて難しいといえる。営業メンバーの衆知を集
めて困難な案件や受注に当たっての障害についての対策を話し合うこと
が、営業チーム全体の受注促進において非常に有効な活動となるのであ
る。メンバーの参画意識を高めるには、次のような点がポイントとなる。
@営業管理職よりメンバー相互に発言し合うことへの重要性を説く
A一人ひとりが自分さえ良ければという利己主義を捨て、チームで目標
達成することが個人の目標達成にもつながることを意識する
B個々人の情報やノウハウを常に披露することにより、皆が共通理解し
顧客への提案力がより深まる
C各人の発言に対し、批判や中傷などを行わない(極力肯定的に受け止
める姿勢で臨む)
D営業管理職やベテラン社員は最初の発言をなるべく抑えて、若手・中
堅社員に発言の場を持たせることにより、チーム全体の発言がより活発
になるように仕向ける
(2)専門性をどのように高めるか
次に様々な工事見込案件をより有効に問題解決に導くために、営業チー
ムとしてどのような専門性を高める取り組みを起こしたら良いだろうか。
建設営業の範囲は施工技術、法規、税務、金融、事業開発など多岐にわ
たり、前述した通り近年非常に高度化、難解な案件が増えてきている。
このような中でチームとしての工事案件の対応力である専門性を高めて
いくには、組織的な取り組みが重要となる。
まず、営業チーム内での最初の決め事として、どのような専門性を高め
ていく必要があるかをあらかじめ話し合っておく。必要な専門テーマを
リストアップしたら、それを営業メンバー一人につき、1ないし2ぐらい
をテーマ設定し、各人専門テーマについて研究を行う。専門テーマは一
度にあれもこれもと欲張らずに重要度や緊急度を加味して決めることが
大事であり、習熟してきたら少しずつ専門領域を増やしていけば良い。
専門テーマを持ったメンバーは、研究のために情報源としての業界専門
の新聞、雑誌、書籍の購入や、時にはセミナー受講なども必要になるか
もしれない。営業管理職は必要に応じてこのような情報収集に必要な経
費などをあらかじめ予算化しておくことも必要であろう。
会議体などで工事案件についての検討が行われ、具体的に工事見込案件
が、仕掛中の営業担当者とその工事見込案件の内容を専門テーマとして
いる営業担当者が、相互に協力して受注獲得に取り組まなくてはならな
い場面も出てくると思われる。
企業によっては営業個々人に受注目標が設定されていると、なかなか相
手の受注協力に付き合うことに抵抗が出てくることも予想される。その
ような場合こそ、営業管理職はリーダーシップを発揮し、相互の協力を
促し、結果は人事考課などの場面において個々人の成果を協力度合いに
応じて公平に割り振るなどにより対処していくべきである。
繰り返しになるが、営業チームとして受注を獲得し、目標達成に取り組
んでいくには、チーム営業としての問題解決活動が欠かせないものなの
である。


問い合わせ先
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
TEL 03(3950)1178 FAX 03(3952)0430
URL http://www.niccon.co.jp/kensetsu/
E-MAIL kensetsu@niccon.co.jp
ご質問にはお答えできない場合もございますのでご了承ください。

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執筆者プロフィール



株式会社日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所  副部長コンサルタント 酒井誠一
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