「人を活かす:個人の成長が企業の成長」   =最終回=「コミュニケーション」〜聞き上手は育て上手〜 |建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

建設ニュース、入札情報の建通新聞
建通新聞

ログイン

伊賀市役所

「人を活かす:個人の成長が企業の成長」   =最終回=「コミュニケーション」〜聞き上手は育て上手〜

皆さんは部下と上手にコミュニケーションが取れていらっしゃいますか
?「話しをする時間は十分に取っているから、大丈夫!!」と思ってい
ても、部下は「会話の時間はあるけれど、自分は聞くばかりで、こちら
の話を聞いてもらえている感じはしない」といった気持ちでいるという
事はないでしょうか?会話の量ではなく、部下の言いたい事をどれだけ
受け止めていますか?

人は特に意識をしていなければ、相手の話を聞きながら、実は自分の事
を考えています。例えば、新しい作業を任せてから何となく元気がない
部下にそれとなく様子を尋ねたところ、「仕事の効率がなかなかあげら
れなくて・・・」と言ってきたとしたら、どの様に対応されますか?以
下、かなり簡略化していますが、例を2つあげます。
例1.「新しい作業なのだから、まだ慣れていないだけだ。慣れれば大
丈夫。俺も昔は・・(自分の経験談が続く)だからな、お前なら大丈夫
だから、頑張れ!」「そうですね、慣れれば・・・。きっと。はい、頑
張ってみます」
例2.「そうか、効率があがらないんだ」「ええ。自分のやっているこ
とに自信が持てないというか・・・」「自信が持てない・・」「今の仕
事に関してまだまだ経験が足りないので・・・」「経験がね・・」「そ
うなんです。で、ちょっと焦ってしまうというか・・・。そうですね。
もう少し慣れてくると効率も上がるようになるかもしれません。もう少
し頑張ってみます」両方とも、「頑張ってみます」と言っていますが、
言っている気持ちには大きな差がありそうです。例1.の場合ですと、
上司は部下の事を思っているのでしょうが、話はいつの間にか自分の経
験談と、やってもらわないと自分が困るという気持ちから、聞くという
よりも説得に変わってしまっています。「頑張ってみます」も言わされ
ている感じです。部下の気持ちに変化はなく、逆に後退しています。
一方、例2.の場合、上司は相槌を打つだけで、自分の考えは一切言っ
ていません。部下の言葉を繰り返しているだけですが、繰り返すことで
“あなたの話を受け止めていますよ”というメッセージを伝えているの
です。そして、聞いてもらえた部下が自分自身で答えを出しています。
実は“こうしなければいけない”と自分自身の中で既にわかっている事
も多いものです。それを上司から言われるのではなく、自分自身の言葉
で発言する事が大切です。それによって、“ああ、自分はこんな風に思
っていたのだ。大丈夫、頑張れる”という確かな気持ちを持つことが出
来ます。
この例の様に上手くいく場合は多くは無いかもしれませんが、話を聞い
てもらうだけで気持ちを前向きに変えられる事は少なくありません。皆
さんご自信も、自分の悩み事をちょっと話しただけなのに、反論をされ
たり、相手の経験を聞かされたりして、“聞いて欲しかっただけなのに
・・・”と思ったことはありませんか?そのような時、“うん、うん、
そうなんだ”と相槌だけを入れて聞いてくれる人がいたら、自分の中で
悩みの整理がつき、自分自身の決断で前に進む気力がわいてくると思わ
れませんか?自分の意見や考えを言いそうになったら、一度ぐっと我慢
してみてください。きっと部下の本当の気持ちがこもった言葉を聞ける
筈です。

いいね 0 ツイート

執筆者プロフィール



天野社会保険労務士事務所 社会保険労務士 CFP(R) 天野由加里  URL http://www.amano-sr.net/
人と建設と未来ラボ3
スマホ記事中バナーC
あなたの知識やノウハウなどを建通新聞社ホームページで伝えてみませんか?
電子版のお申し込みはこちら 新聞(宅配)のお申し込みはこちら
カタログカタログ