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これで解決!問題社員の労務トラブル 〜会社も安心!社員も納得!〜 =第11回=「外国人労働者を雇用するときの注意点」

外国人を採用し、上手く活用している会社が見受けられます。正式な就業ビザを持ち入国している外国人労働者は、とても就業意欲が高く勤勉ですが、異なった文化や習慣、仕事の仕方の違いなどから、会社や社員との関係に摩擦が生じ、労務トラブルに発展してしまうことがあります。

我々は、国内で生活している外国人について、日本人に近い考え方や生活習慣に慣れていると捉えがちです。ところが、労務管理上では特に、国が違えば考え方も違うという点を、日頃から意識する必要があります。
一概にはいえませんが、外国人労働者には次のような傾向があるようです。

@自己の能力や適性について強く主張する傾向がある
Aあいまいな指揮命令を嫌う
B就業時間や賃金などの労働条件を細かく確認する

いずれについても、主張すべき点は「イエス」「ノー」は明確にするという考え方によるものと思われますので、外国人を雇用する際には、次のような対応が必要と考えます。

@自己の能力や適性について主張してきたときは、その根拠をしっかり確認する。
Aあいまいな指揮命令は行わず、業務上の指示や伝達事項は具体的に明確に行い、メール等で記録を残しておく。
B就業時間や賃金などの労働条件は、必ず合意した内容を雇用契約書として取り交わす。

上記と合わせて、外国の企業文化や習慣をよく理解している日本人の管理職を配置したり、外国人社員に限らず、社員の誰もが意見を言いやすい職場風土を作るなど、文化や習慣の違いに対する理解を促進し、社員間のコミュニケーションが活発になるよう、受け入れる側の意識改革を進めることも大切です。
日本人の常識が外国人にとっても常識であるとは限らないことを、日ごろから十分に留意することが、外国人を雇用し上手く活用する秘訣といえます。

■雇用する時に確認すること
日本人を雇用するときは、履歴書や職務経歴書等で本人の経歴やスキルを十分に確認すれば、特に問題になることはありませんが、外国人を雇用するときは、その方が適法に在留し就労できる状態にあるかを必ず書面で確認することが必要です。万が一適法に在留し就労できない状態の外国人を雇用すると、雇用した会社も罰せられることとなります。

@入国要件の確認
 パスポートの期限は切れていないか
 入国査証(ビザ)を受けているか
A就労資格の確認
 どの種類の在留資格を認められているか
 就労が認められない在留資格の場合は、資格外活動許可を得ているか
B在留期間の確認
 在留資格ごとに定められている在留期間を超えていないか
C現住所の確認
 外国人登録証が発行されているか
 登録証の住所は、現在住んでいる住所として登録されているか

上記の在留資格や在留期間は、パスポート、入国査証(ビザ)、外国人登録証明書、在留資格認定証明書、就労資格証明書、資格外活動許可書で確認することができます。

■就業規則は外国人用も用意
外資系の企業では、それぞれの母国語での就業規則を用意するところもありますが、外国人向けの就業規則を用意できている企業はまだまだ少数です。日本語の理解が不十分な外国人社員とのトラブルを防ぐためには、最低でも英文の就業規則を作成することが必要となります。

外国人社員と個別に雇用契約書を取り交わしますが、そこに就業規則の内容をすべて盛り込むのは無理があります。そこで社員全員に適用される就業規則を英文で用意しておくことが望ましいでしょう。英語を母国語としない外国人を多く雇用している企業では、母国語での就業規則を用意することも必要かもしれません。

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執筆者プロフィール



成澤紀美(スマイング取締役、社会保険労務士)
人と建設と未来ラボ3
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