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電子納品から始める建設IT 第2回 慣例を変えていくことこそ、建設ITへの第一歩

第1回では、情報化に遅れないために日常業務が重要ということを、昔を思い出しながら書いてみました。では、日常業務で建設ITを学ぶためには、どこから手をつければいいのでしょうか。
建設ITの第一歩は、今までにやってきた慣例(書類の作成方法やデータの管理方法など)を変えていくことです。
たとえば、今まで文書を送付する際にFAXで行っていたものが、メールのやり取りによって情報交換するようになりました。確かにFAXの方が、電話機の操作だけで送信することが出来ますし、誰かに頼んでおけばやってもらうこともできるので、FAXでもいいと思うかもしれません。
しかし、FAXの場合は、事務所にいないと情報が得られないのに対し、メールであれば現場でも情報を受け取ったり、前に送付した事実がいつでも簡単に確認することが出来ます。
過去の送信・受信履歴から検索して情報を得ることもできます。ホームページのアドレスを記載しておけば、いつでもさらに多くの情報を見ることができますし、受信者と送信者が情報共有をできるようにもなるのです。
こうしたITの特徴である「情報の検索・共有」という新しい利用価値を身につけるためには、「慣例」を少し変える必要があります。
メールは簡単に実践可能な例の一つですが、建設業務の場合はさらに慣例を変えるのは難しくなってきます。
工事完成図書などは、以前はすべて紙での提出だったため、とりあえず業務に携わる方々がパソコンを使うことを目標にし、ワープロ部分などをできるだけパソコンで作った上で、後は切り貼りしていました。それでも印刷すれば成果品として成り立っていました。
パソコンでの書類作成については、スクールなどに通った方もいるでしょうし、独学か他人に聞いて自然と覚えた方もいるでしょう。つまり、みんなバラバラなルールによってデータを作成していても良かったのです。

しかし、「パソコンで作成したから大丈夫」といった時代はもう終わりました。次のステップとして、作成したデータを利活用しようという動きになっています。

個人が作成したデータは、保存場所やファイル名などを第三者にも分かるようにしておかなければ、データをもらってもすぐに活用することができません。
情報の検索や再利用、共有などで利用する場合を考えると、単にデータ化されているだけでは、本来のIT化で求められる利活用という目的が半減されてしまうのです。
そこで、成果品として納められたデータを利活用できるように、作成方法などを規定し、どんな人でも同じレベルのデータを作るためのルールが定められました。
それが電子納品なのです。
電子納品は面倒だという声を良く聞きます。それは今までのとりあえず電子データになっていれば良いという慣例と大きく異なるからだと思います。

しかし前にも書いたように、情報化に必要な情報の検索・共有を行っていくためには、電子納品の取り組みは克服していかなければならない道なのです。
納品は、紙からデータへ、データから標準化へと移り変わっています。今までの慣例を見直して、電子納品という作業を日常業務として見ることが重要になるのです。

次回から、いよいよ電子納品についての具体的対処法を紹介します。





みんなで作る電子納品に安心して対応できるサイト「みんなの電子納品」 http://m-cals.jp 
管理者 株式会社デバイスワークス 加賀屋太郎

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執筆者プロフィール



デバイスワークス代表取締役 加賀屋太郎
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