きょうの『建設業法キーワード』D
▼「誠実性」とは?
建設業の許可を受けるためには、「請負契約に関して不正や不誠実な行為をすることが明らかでない」ことが必要です。これを「誠実性」といいます。建設業許可を受けようとする者が法人の場合には、法人やその役員、支店・営業所の代表者が、個人の場合には本人または支配人が、この要件を満たしていなければなりません。
請負契約に関する「不正な行為」とは、請負契約の締結や履行に関連して行った詐欺、脅迫、文書偽造などの法律違反をいいます。「不誠実な行為」とは、工事内容、工期、天災など不可抗力による損害の負担などについての請負契約の違反行為をいいます。
また、過去の一定期間において、建設取引をはじめ、建築士の業務やコンサルタント業務、宅地建物取引業などの建設関連取引について、不正または不誠実な行為を行い、今後も繰り返す恐れが明らかであるような場合には、不正または不誠実な行為をすることが「明らかな者」とされます。
これらは許可申請の場合の判断基準になりますから、許可を受けて継続的に建設業を営んでいた者については、請負契約に関する不正や不誠実な行為などがあっても、特別な事情が確認されない限り、許可の有効期間中は「不正または不誠実な行為をすることが明らかな者」としては扱われません。しかし、法29条1項6号の「建設業者の請負契約に関する不誠実な行為の情状が特に重い場合」に該当する場合は、許可が取り消されます。
また、建築士法や宅地建物取引業法などで不正または不誠実な行為を行ったことにより、免許などの取消処分を受け、その最終処分の日から5年を経過しない者は、原則として基準に適合しないものとして扱われます。
このほか、建設業の許可を受けようとする者が、暴力団の構成員である場合などにも、基準に適合しないものとして取り扱われます。
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執筆者プロフィール
全国建設関係行政書士協議会