「夢をかなえる 若手がやめない建設会社」  第7回 若手が夢≠見つけられる会社に|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

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「夢をかなえる 若手がやめない建設会社」  第7回 風通しの良さが好循環を生む

人口減少の本格化に伴い、特に地方において、次世代の担い手となる若者の採用・育成に苦慮する建設業は少なくない。そんな中、従業員数180人の大河原建設(静岡県島田市)は、5〜6年前から新卒や若手の中途採用者を毎年10人以上確保できているという。社内の平均年齢は37〜38歳で、建設業就業者全体の平均(44・2歳)より若い。若手を継続的に確保し、定着させる秘訣は何か。社員間の交流を促し、若手のアイデアを柔軟に取り入れる「風通しの良い会社づくり」が、社員の満足度向上につながっている。
 同社では入社した若手と先輩社員とのコミュニケーションを促すため、独自の工夫を重ねている。運営するフランス料理店や日本料理店、ラウンジなどを活用して、社員同士が交流できる機会を積極的に創出。普段の昼食でも、自社で運営している各店舗から仕出し弁当を購入し、食事の際はNHKの人気番組「サラメシ」のような、和気藹々(わきあいあい)とした雰囲気づくりを心掛けているという。
 若手社員らの発案で始まった自社の施工現場の見学会も、社内の交流を促す重要なイベントだ。事務職や営業、技術職を問わず幅広い社員が参加し、自社がどのような事業に携わっているのか理解を深める貴重な機会となっている。さらに、「励ましや応援の声を現場の担当者に直接届けることができ、技術職のモチベーションを高めることにもつながっている」(人事担当者)という。
 また、同社では採用に向けた土台づくりとして20年以上にわたって大学への訪問を続けてきた。長年の活動により各大学のOB・OG社員が在籍していることもあり、在校生との密接なネットワークを構築。朝倉純夫社長は「先輩社員がいる安心感が、入社後の定着率の上昇につながっている」と分析する。さらに、多くの若者が重視する休日の確保にも積極的に対応し、18年から週休2日制を導入。静岡県は21年4月から週休2日の浸透への足掛かりとして毎月第2土曜日を一斉休工とする「ふじ丸デー」をスタートしたところだが、同社はさらにその先を見据え、地元をリードしている。
 「若手社員が魅力、やりがい、楽しさを感じられる”風通しの良い”会社を目指していく」と朝倉社長は意気込む。働き方改革が進む世の趨勢(すうせい)を敏感に見極めるためにも、若手の声に耳を傾けることは欠かせない。さらなる社員の満足度向上を目指し、模索の日々がこれからも続く。
(静岡支社=小松和正)

大河原建設株式会社(静岡県島田市)
業種 土木・建築工事の設計・施工・監理、宅地・住宅分譲など不動産売買
従業員数 180人

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