完成イメージ。BEVとFCEVの構成部品を実験・評価する
【藤沢】いすゞ自動車(横浜市西区高島1ノ2ノ5)は、藤沢工場内で約400億円を投じて電動開発実験棟「The EARTH lab」を新築する。バッテリー電気自動車(BEV)と燃料電池自動車(FCEV)の構成部品を実験・評価する設備を設置。2030年度までに全カテゴリーで電動車を導入するため、開発体制を強化する。今後、設計者・施工者を選定した上で工事を進め、2026年6月の稼働開始を目指す。
新設する電動開発実験棟の規模は5階建て延べ2万7000平方b、高さ約40b。BEVとFCEVのバッテリーやモーター、EVシステム、熱マネジメントなどの実験・評価設備を設ける。同実験棟でエネルギーと熱効率を最適化するための研究や実証を行い、航続距離や走行性能を改善する考えだ。
環境への配慮として、屋上と側壁に太陽光パネルを設置。各種設備から回収した廃熱は空調の動力に利用するとともに、回生エネルギーの活用により消費電力を削減する。
建設地は藤沢市土棚8の藤沢工場内。第1・第2実験棟跡地を活用し、建築面積には約5700平方bを充てる。
同社は5月に発表した経営戦略で、カーボンニュートラルや物流DXを推進するため、30年度までに1兆円を投資する方針を示した。カーボンニュートラルへの対応の軸となるのがBEVとFCEVの開発強化だ。30年までに大型・中型・小型トラックやライトバン、バスなどの全カテゴリーで電動車を展開する目標を設定。藤沢工場の実験棟新設のように、研究施設への投資を積極的に行っていく。