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Catch-up <2022年8月〜9月号>

建設業に関わるトピックスを分かりやすく解説するコラム『Catch-up』バックナンバーです。
 

男女の賃金差に公開義務 「人的資本」意識する契機に 2022/8/5

 常時雇用する労働者が301人以上の会社を対象に、男女の賃金格差の公開が義務付けられた。岸田文雄首相は看板政策を議論する「新しい資本主義実現会議」で、働く男女の賃金格差を早期に解消する必要性を指摘。300人以下の企業についても今後、対応を検討する構えだ。女性活躍の遅れが指摘されている建設業界でも、今回の制度改正を機に、賃金だけに限らず、女性が働きやすい環境をどう整えていくかが課題になりそうだ。
 女性活躍推進法で求められる情報公表項目の中で、ホームページなどで必ず公開する必須項目に「賃金格差」が位置付けられた。7月8日以降、新たに事業年度を迎えてから3カ月以内に前年度の実績を公開しなければならない。具体的な金額ではなく、「男性の賃金に対する女性の賃金の割合」を示す。
 制度の詳細を議論する厚生労働省の審議会では、格差の数字が一人歩きすることを懸念する意見も出た。「全労働者」と「正社員」「パート・有期社員」に分けてそれぞれ開示するよう規定されているものの、再雇用の高齢男性と若年のパート女性を同じ枠で比較することになるなど、大くくりな制度であることは否めない。
 例えば企業が女性活躍に向けて採用を拡大し、若い世代に女性が増えれば、年功賃金では男女格差が一時的に開くこともあり得る。このため厚労省は、追加で背景事情などを補足できる「説明欄」の活用を呼び掛けている。
 さらに、金融庁の審議会でも有価証券報告書に男女の賃金格差の記載を義務化するとした提言を決定。来年度から導入の見通しとなっている。
 こうした動きの背景にあるのは、男女格差の是正をはじめ、労働慣行や安全衛生の取り組み、多様性が企業の長期的な価値に深く関わるという考え方だ。政府は「新しい資本主義」の実行計画で、これらの情報開示を促し、人への投資を加速させる方針を打ち出している。
 女性活躍促進法の表示項目には、開示が必須の「男女の賃金差異」の他、「男女別の育児休業取得率」「平均残業時間」など企業が自由に選択できる項目もある。適切な項目を選び、自社の現時点の取り組み状況を過不足なく伝える努力は欠かせない。特にワーク・ライフ・バランスに関わる項目は、女性だけでなく男性求職者にもアピールポイントとなる。
 人という資本(人的資本)に対して今後どのように投資するのか、現状だけでなく企業が目指す将来像を発信することが重要だ。今回の制度改正を、男女を問わず多様な活躍の道筋をつくる契機とできるかが問われている。
 
 

建設業で進む高年齢者活用 意欲ある人に活躍の機会を 2022/8/19

 高年齢者雇用安定法では、希望者が70歳まで働ける制度の整備が企業の努力義務とされている。建設業の取り組み状況(2021年6月時点)を見ると、こうした措置を行っている企業は35・1%で、全産業中で最も割合が大きい。人手不足が深刻化する中で、高年齢者の活用が「やむを得ない選択」となっている側面も否定できないが、資格・経験を重視する建設業界で活躍の余地が大きいのも事実。高年齢者にいきいきと働いてもらい、その技術・技能を次代に引き継ぐための職場環境づくりは急務だ。
 企業には、65歳までは希望者全員が働けるように定年の引き上げか廃止、継続雇用制度(再雇用、勤務延長)の実施が義務付けられている。これに加えて21年4月からは70歳まで就業の機会を確保するため、継続的な業務委託も含めた措置の導入が努力義務とされた。
 では、70歳までの就業確保措置を実際に取り入れている会社がどれほどあるのか。厚生労働省が従業員21人以上の企業を調べたところ、建設業でこうした措置を導入しているのは35・1%。全産業平均の25・6%よりも大幅に高く、産業別でもトップだった。「深刻な人手不足も背景にあるのでは」と厚労省の担当者は見る。
 小さな企業ほど取り組みが進んでいる傾向も見られた。建設業のうち「従業員301人以上」では実施率は16・9%だったのに対し、「31人〜300人」では33・1%、「21人〜30人」では39・2%だった。
 とはいえ、定年の廃止、引き上げを選ぶ企業は限られる。導入が最も進んでいるのは継続雇用制度で、建設業では25・9%が取り入れていた。
 建設業で働く人の高齢化は他産業と比べても進んでいる。55歳以上が就業者全体に占める割合は、全産業平均の31・1%に対し、建設業は36%。若手の採用・育成に業界を挙げて取り組んでいるが、若年者の数そのものが減少しつつある中で、高年齢者にも頼らざるを得ないのが実情のようだ。
 もちろん、資格や実務経験がものを言う建設業界では、技術者・技能者を問わずベテランが活躍する機会は豊富にある。体力的な制約があっても、長年の経験を生かして後進の指導や労働安全衛生の推進を担う例は多い。
 就業確保措置の実施に当たっては、個々の従業員の意欲、事情に配慮した制度を提示する必要がある。フルタイムでの就業だけでなく、労働時間や業務内容を絞り込んだ業務委託など、選択肢は幅広い。意欲ある人に適切な就業形態を提供できれば、会社にとって大きな戦力となるはずだ。
 
 

「繰り越し」に注目集まる 施工の平準化、効率化にも貢献 2022/9/2

繰り越し活用などによる工事量の極端なアップダウンの解消は、建設業に施工力を十分に発揮させる助けにもなる。 国土交通省をはじめ国の公共事業関係費で、前年度予算を翌年度に持ち越す「繰り越し」が注目されている。建設業者にこなしきれないほどの事業量が未消化になっているとの報道も一部にあるが、斉藤鉄夫国土交通相は8月26日の会見で「その認識は正しくない」と反論した。繰り越し分も含めて翌年度末にはほぼ全額が執行できており、最終的に不用となった金額はわずかだという。むしろ、柔軟な繰り越しや、国庫債務負担行為の活用が施工時期の平準化に果たした大きな役割は無視できない。
 2020年度の国の公共事業関係費のうち、翌年度に繰り越したのは35・4%に当たる4兆6937億円。金額ベースでは10年度の約2・5倍となり、「消化できない積み残し案件」との見方も一部に出た。
 しかし、繰り越した予算も翌年度には大半が消化されている。国交省の予算執行状況を見ると、20年度から繰り越した分と21年度当初予算の合計分の91%は21年度末までに契約できている。最終的に不用となった金額は1%程度に過ぎない。
 繰越金額が増加した背景には、大規模な補正予算の編成が関わる。20、21年度には「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策」を計上。いずれも年度後半に成立したため、速やかに発注手続きを進めていても一定程度の繰り越しの発生は避けがたい。
 一方で建設業界にしてみれば、年度末に発注され、翌年度早々に着工できる工事の増加は歓迎できる。従来問題となっていた極端な業務量のアップダウンの解消につながるためだ。4〜6月の閑散期が解消されれば、人・機材を有効に活用でき、建設会社が備えている施工力を最大限生かせる。年度を通じて業務量を平たんに安定させられれば、業界が直面する働き方改革という難題解決の一助にもなる。
 国交省では繰り越しに加えて、年度をまたぐ契約を可能にする国庫債務負担行為も積極的に活用。工事量が年度末に集中するのを防ぐとともに、複数年度にわたって計画的にインフラを整備できる体制を整えている。
 そもそも、現状の予算規模は建設業界の施工力を上回るものなのだろうか。建設技能者の労働者過不足率は13年度をピークに低下傾向にある。建設業団体からもICT活用、DX推進を原動力に「十分な施工余力を有している」との声が寄せられている。
 激甚化、頻発化する災害への備えや老朽インフラの着実なメンテナンスなど、インフラ分野では喫緊の課題が山積している。「繰り越し」をはじめ、必要な予算を円滑に執行できる制度の積極活用は、国民の安全・安心を守り、社会経済活動を支える上でも大きな意味を持つはずだ。
 
 

アナログ規制の見直し 企業の慣習見直しも課題に 2022/9/16

 政府が、法律や政令、省令によるアナログな規制の見直しを加速させている。6月には、岸田政権の肝いりで設置したデジタル臨時行政調査会が「臨場」や「目視」など建設業界にも深く関わる規制約4000件の見直しを表明。フロッピーディスクを用いた行政手続きの撤廃も俎上(そじょう)に載せた。河野太郎デジタル相は会見で、民間の提案、要望を踏まえながら取り組みをスピードアップする考えを再三、示している。
 規制の一括見直しは、日本の社会全体の生産性向上を狙ったものだ。例えばデータ提出の媒体に、フロッピーディスクや光ディスク、磁気テープなどの使用を求めている法令は多数あり、行政手続きをオンライン化する際の障壁となっている。こうした規制を見直すことで人の手の介在をなくし、あらゆる産業で深刻化する人手不足に備えるのだという。
 6月までに約1万の法令を点検し、約4000条項について見直し方針を確定。残る約3万の通知・通達も含めて見直しを進め、今後3年間で規制を一掃する。新たな規制が生まれないよう、提出予定法案を審査する組織もデジタル庁内に立ち上げた。
 ターゲットとなる規制は、▽目視▽実地監査▽定期検査・点検▽書面掲示▽常駐・専任▽対面講習▽往訪閲覧―に大別される。複数省庁の所管法令に共通する類似した規制を一括して見直し、スピーディーな改革を目指す。
 建設業界でも、技術者の専任配置や、道路の近接目視点検など多くの規制が該当する。建設業法に基づく技術者配置については、遠隔臨場技術の活用を前提に2現場の兼任を可能とするなど、見直し方針が既に示されているものもある。
 実際に規制を見直すには、アナログな手段を代替できるデジタル技術が必要になる。このため、企業や有識者へのヒアリングを通じ、代表的な規制に対応した技術を示す「テクノロジーマップ」を整備する。例えば「対面講習」にはウェブ会議、「目視」での点検や巡視にはカメラ、センサーなどが対応。単に手段を置き換えるだけでなく、インフラの老朽化点検でカメラから得たデータを画像診断に生かすなど、デジタルの強みを生かした業務の改善にも取り組む。
 企業から有用な技術を募り、カタログ形式で公開することも検討する。スタートアップ企業をはじめ、先進的な技術を持つメーカー、ソフトウエア企業の成長にもつなげる。
 法令の見直しを社会全体の生産性向上につなげるには、企業もまた自らの業務の流れや慣習を変えなくてはならない。コロナ禍を契機として、建設業界ではウェブ会議や遠隔臨場が一挙に浸透した。より広範囲、かつ急速な変化に対応する上で、これからが正念場になりそうだ。

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    改正建築物省エネ法の成立は、建築分野の脱炭素化に向けた大きな一歩となった。新築建物については種類を問わず、省エネルギー基準への適合が義務化されることとなった。だが、ある“難題”がまだ立ちはだかっている。

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    インフラメンテナンス 次の10年
    9人の尊い命を奪った中央道の笹子トンネル天井板崩落事故から10年がたった。国の調査委員会が「わが国において例を見ない」と形容したこの悲劇をきっかけに、インフラ保全の重要性が改めて強く認識され、日本のメンテナンス行政は大きく動いた。

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